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【石炭】

中国初のSNGモデルプロジェクトが全工程稼動 (12/08/02)
2012/8/9
中国【石炭】

 7月28日、中国大唐集団克旗SNG(代替天然ガス)プロジェクトのメタン化装置が試運転に成功し、メタン含有分94.99%に達する天然ガスの合格品を産出した。低品位褐炭を利用する中国初の大型SNGモデルプロジェクトが全工程の稼動を順調に実現したことになる。

 大唐克旗SNGプロジェクトは内蒙古赤峰市克什克騰旗達日罕烏拉木錫騰海にあり、1日1,200万m3のSNGを生産する。2012年には13.3億m3、2013年には26.7億m3の年産能力を備え、2014年には40億m3の設計年産能力に達する。

 大唐克旗SNGプロジェクトは次の4つの側面で技術上のブレークスルーを遂げた。

 (1) ガス化技術のブレークスルー。ガス化炉の選択に際しては、褐炭の特性を考慮した上で、何回もの技術実証と比較を経て、ガス化炉の作動圧力を3.0MPaから4.0MPaに高めるとともに、炉の容積を拡大した。

 (2) 信頼性の高い廃水処理技術プランの開発。大唐は自社の化学技術研究院をもとに廃水処理の専門研究チームを設け、科学技術部からの強力な支援を得て、「石炭破砕加圧ガス化廃水処理及びリサイクル技術」が国家「863」計画に指定された。国内外のノウハウを総括した上で、活性コークス吸着と生物化学的処理を結び付ける新工法を提唱し、工程が短く技術の信頼性、安定性の高い廃水処理技術を開発した。

 (3) メタン合成と触媒剤生産技術において進展。大唐集団はメタン化包括技術開発、メタン化触媒剤開発、工業モデル生産研究開発の専門チームを設けた。これらの研究開発作業は段階的な成果を上げている。メタン化の工業化試験装置はほぼ完成し、触媒剤は8,000時間の安定性試験を完了した。各種技術指標は国際先進水準に達している。

 (4) 砂漠地区における浸透防止技術の難題を解決。貯灰場、危険廃棄物埋設場、生産ゴミ埋設場、高塩水蒸発池の浸透防止工程を建設し、砂漠地区蒸発池の浸透防止について重点研究を進め、成果を上げた。

 大唐克旗SNGプロジェクトは北京にクリーン・エネルギーを供給することが目標であるが、沿線の赤峰や承徳等の都市にもガスを供給する。大唐集団はすでに316キロのパイプラインを完成させている。

 (中国電力新聞網 8月2日)