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【石油・天然ガス】

石炭大手の神華が石油製品小売事業に正式参入 (12/08/30)
2012/9/6
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス(PetroChina)、中国石油化工(SINOPEC)、中国海洋石油(CNOOC)、中化集団(SINOCHEM)に続いて、神華集団が石油製品小売事業に正式参入した。オルドス市の烏蘭木倫鎮に「中国神華」の看板を掲げるサービスステーションが間もなく開業する。神華集団にとっては初のサービスステーションになり、神華オルドス煤製油分公司の生産した石油製品を販売する。

 神華オルドス煤製油分公司の担当者によると、神華の石炭液化プロジェクトは年内には年産100万トンの設計能力に達し、神華集団もそれを機に石油製品小売事業に正式参入することになった。

 神華集団は8年前の2004年8月、世界初の石炭直接液化プラントに着工した。総投資額は約126億元、軽油、ナフサ、LPGの年産100万トン。2009年末に試験生産を開始し、その後、神華集団は石油製品卸売の資格を得た。

 神華オルドス煤製油分公司の謝舜敏副総経理(副社長)は「昨年は80万トン余りの石油製品を生産した。生産コストはペトロチャイナやシノペックよりも低い。今後技術と管理が成熟すると、コストはもっと下がる」と述べた。

 これまで神華の石炭液化油は少量を自社用とする以外はPetroChinaやSINOPEC等の石油小売商に卸していた。しかし、生産の安定に伴い、神華は今年から石油製品小売業務を開始し、自社経営のサービスステーションで石炭液化油による石油製品を販売する。謝舜敏副総経理によると、今年上半期の石油製品生産量は42.78万トンに上り、2.7億元の収益を上げた。今年末には年産100万トンの設計生産能力に達すると見込まれる。

 神華集団は今後内蒙古自治区に一群のサービスステーションを建設し、さらに周辺の省・自治区にも徐々に拡張を進めることになる。神華西北油化品販売有限公司も今年5月に設立された。西北地区において神華が生産する石油製品や化学品の販売を一本化する計画である。

 金銀島のアナリストである張茜氏によると、石油製品の小売は卸売よりも利益が大きくしかも安定している。神華集団の小売参入も巨大な利益を当て込んだものであろう。しかし、PetroChinaやSINOPEC、一部の外資系石油会社が早くから小売市場の囲い込みを進めており、また、サービスステーションの建設は立地から許認可に到るまで複雑であるため、神華が参入しても石油製品市場の構造を短期間で変えることは難しい。

 (第一財経日報 8月30日)