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中国
【原子力】

中国原子力発電の発展動向分析 (12/10/11)
2012/10/11
中国【原子力】

 中国の建設中の原子力発電所は13基、建設中の容量は3,397万kWに上り、建設中の規模では世界一になる。その他に一群の事業が準備段階にある。ここでは中国の原子力発電の現状を概観しつつ中国の原子力発電の発展動向について見ていく。

 内陸化

 中国の原子力発電事業の許認可は1年余り停滞しているが、最近は「原子力発電再開」の論争が再び醸成されている。論争の内容は、安全性、設備規模、技術路線、立地など様々な面に及ぶが、核心的な問題は、中国が内陸原子力発電所の許認可手続きを再開するかどうかである。

 2011年末の中国の完成済み原子力発電ユニットは15基、建設中は26基(両者合計で4,141万kW)、計画中は21基(合計2,272万kW)である。中国の沿海地区では既存の原子力発電所が基本的にフルに配置されており、計画中の原子力発電ユニットはすべて、江西、湖南、広西、四川、河南など人口密度の高い内陸地区に立地している。

 イノベーション化

 大亜湾から嶺澳第1期、さらに嶺澳第2期へと、国際先進技術の導入を基礎に、消化、吸収、イノベーションに沿った中国自主ブランドの100万kW級原子力発電技術の「国産化ロードマップ」が明確になっている。大亜湾原子力発電所の「高いスタートラインでの導入」から始まり、嶺澳第1期では「コピー+改良」という建設戦略を採り、嶺澳第2期建設に到って、中国初の自主ブランド100万kW級原子力発電所技術プランCPR1000を形成するようになった。大亜湾原子力発電基地は中国の原子力発電技術の「高いスタートラインでの導入・消化・吸収・再イノベーション」の全過程を実現し、中国原子力発電の飛躍的な自主発展の道を歩んだ。

 今や中国広東核電集団の自主ブランドCPR1000原子力発電機は遼寧省紅沿河原子力発電所、福建省寧徳原子力発電所、広東省陽江原子力発電所等の建設において採用され、原子力発電の量産化、大規模化発展を実現している。

 小型化

 小型原子力発電所とは単機容量30万kW以下のモジュール化された原子力発電所を指す。中国広東核電集団の建設中の原子力発電事業の一つはこの技術を採用している。中国広東核電集団の開発した小型原子力発電所技術はACP100と名付けられ、地下に10万kWの原子力発電ユニットを建設するもの。この技術は第三世代原子力発電技術の設計コンセプトを参考に、熱電併給、ガス電気併給や海水淡水化等の機能を備える。華能核電有限公司の王迎蘇総経理(社長)によると、大型原子炉よりも小型の高温ガス冷却炉の方が市場のニーズにより良く適応することができ、商業化の見通しが広がっている。しかも、安全性が高いので、都市周辺に原子炉を建設することができ、遠距離送電の問題もない。

 (北極星電力新聞中心 10月11日)