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中国
【原子力】

元国家能源局長が各国の原子力発電開発状況について分析 (12/09/28)
2012/9/28
中国【原子力】

 元国家能源局長の張国宝氏は中国発展高層フォーラムにおいて、風力発電やソーラーなど再生可能エネルギーの開発を主張するものの、再生可能エネルギーを主力エネルギーとして期待を寄せる考え方は一種の理想に過ぎないと表明した。また、同氏は、国が原子力発電を放棄することは不可能であり、各国の原子力発電開発熱も依然冷めておらず、年内にも新たな原子力発電所の建設が再開されるとの予想を示した。張国宝氏は次のように指摘した。

 日本の福島原発事故が発生するまで、中国に代表される新興国の原子力発電所建設は著しくスピードアップし、中国では28の原子炉が着工されていた。全世界では60基余りの原子炉が建設中であり、多くの諸国は原子力発電開発に対する希望を表明していた。韓国等は原子力発電立国の目標を打ち出し、原子力発電を船舶、鉄鋼、電子に次ぐ新たな経済成長材料として位置づけた。しかし、福島原発事故は、台頭しつつあった原子力発電開発に冷や水を浴びせた。2011年、原子力発電に関わる全世界の天然ウラン産業や設備製造業は低迷した。しかし、世界は今後も原子力の平和利用を継続することになり、福島原発事故によって発展は遅れ、石炭火力発電や天然ガス発電が刺激されたが、一次エネルギーに占める原子力発電の比率は上昇傾向を示すことになる。各国の原子力発電開発熱は未だ冷めておらず、福島原発事故以前に原子力発電開発を計画していた諸国や建設が計画されている原子力発電所には何ら変わりはない。

 今年内には新規原子力発電所の建設が再開され、今後徐々に増えていくだろう。ドイツも含めて本当に2020年に原子力を完全放棄するかどうかは未知数である。風力発電やソーラーなど再生可能エネルギーの開発に力を入れることは主張するが、これら再生可能エネルギーが需要に占める比率は最大でも20〜30%である。再生可能エネルギーを主力エネルギーに充当するという考え方は一種の理想的目標に過ぎない。そのため、原子力発電を放棄することは依然として不可能であり、原子力発電を開発しないわけにはいかない。

 (中国核電信息網 9月28日)