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【エネルギー全般・政治経済】

2013年全国エネルギー工作会議が召集 風力発電とPVの目標を確定 (13/01/09)
2013/1/16
中国【エネルギー全般・政治経済】

 1月7日、全国エネルギー工作会議が北京で開かれ、2013年の新規風力発電設備を1,800万kW、太陽光発電設備を1,000万kWとする目標を打ち出すととともに、分散型太陽光発電の発展に注力することを改めて宣言した。また、2013年には「エネルギー体制改革を深化」し、「エネルギー体制改革のトップレベルデザイン並びに全体計画の研究を深め、総合改革計画案、ロードマップ並びにタイムスケジュールを明確にし、試験実証プロジェクトを積極的に展開する」ことを提唱した。

 同会議は過去5年間における中国のエネルギー分野の成果を振り返り、風力発電は500万kWから6,300万kWに急増し、年間発電量は1,000億kWhを超えて世界一の風力発電大国になり、太陽光発電はゼロから700万kWに増えたと指摘した。

 同会議は次の8つの面で重点的に対策に取り組むことを提唱した。

 (1) 国内のエネルギーの有効供給を増やし、石炭の安全な採掘と高効率の利用を推進し、石炭火力発電を最適化し、区域間の送電ルートの建設を加速し、シェールガスや炭層ガス等の非在来型石油ガス資源の開発に力を入れ、通年のエネルギー需給の全体的な平穏を確保する。

 (2) 新エネルギーと再生可能エネルギーの発展に力を入れ、水力発電を積極的に発展させ、風力発電の協調的な発展を進め、分散型太陽光発電の発展に力を入れる。2013年の新規水力発電設備を2,100万kW、風力発電を1,800万kW、太陽光発電を1,000万kWとする。

 (3) エネルギー消費総量を規制し、強制的な方式による構造調整の長期有効のメカニズムを確立する。

 (4) エネルギー科学技術のイノベーションを強化し、国家科技重要専門事業を引き続き実施して、重要事業に依拠して最重要設備の国産化を推進する。

 (5) エネルギー体制改革を深化し、エネルギー体制改革のトップレベルデザイン並びに全体計画の研究を深め、総合改革計画案、ロードマップ並びにタイムスケジュールを明確にし、試験実証プロジェクトを積極的に展開する。

 (6) 互恵的な国際エネルギー協力を推進し、国内外の2つの市場・2つの資源を利用して、グローバルなエネルギー管理に積極的に参画する。

 (7) エネルギー民生プロジェクトの実施を加速し、電力未普及問題を解決する。

 (8) エネルギー業界管理を強化し、既存のエネルギー計画の貫徹実施に取り組み、産業政策を策定し、エネルギー立法を推進し、標準の整備を強化する。

 中国の昨年の新規風力発電設備は1,800万kWであり、今年も1,800万kWとなれば、進歩があるわけではない。一方、中国の太陽光発電産業は国際市場から阻害され、大量の生産能力は国内向けに転じている。1,000万kWの新規太陽光発電設備は2012年の2.5倍になるが、中国の巨大な太陽電池生産能力を消化するには程遠い。しかしながら、エネルギー体制改革の深化や分散型発電の推進といった要素によって、中国の風力発電と太陽光発電の系統連系はが強化され、国内の需要と今年の新規設備容量は上記の目標をはるかに上回る可能性もある。


 (中国能源網 1月9日)