中国石油化工集団(SINOPEC)とイラン国営石油会社NIOCは9日、20億ドルに上るヤダヴァラン(Yadavaran)油田開発契約に調印したが、これに対し、米国国務省は10日、失望と懸念を表明し、SINOPECの今回の取引はイランに核計画の放棄を求める国際社会の努力を損ねたとした。米国務省は、SINOPECの今回の行動がイラン制裁に関する米国国内法に違反していると見なすかどうかは明らかにしなかったが、今後の行方を注意深く見守るとした。

　ヤダヴァラン(Yadavaran)油田はイランとイラクの国境付近にあり、原油確認原始埋蔵量180億バレル、現時点では世界最大の未開発油田の1つである。

　米国は1995年以来、イランに対する経済制裁を継続しており、当面は2011年まで制裁法を延長している。同法によると、米国企業並びに米国民はイランとの間で石油や商業上の取引を行ってはならないとされているが、この法令に違反したとして処罰を受けた企業は未だにない。

　(中国油気管道網 12月12日)