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中国
【新エネルギー】

専門家が地熱資源の循環可能な利用を提唱 (13/01/28)
2013/2/1
中国【新エネルギー】

 中国エネルギー研究会地熱専門委員会が開いた専門家座談会に30名余りの地熱開発の専門家が出席し、中国の地熱開発の現状と発展の見通しについて分析と論証を進めた。専門家は循環可能な形で地熱資源を利用し、地熱発電の合理的な開発を進めて、エネルギー危機とますます深刻化する環境汚染に対応することを提唱した。

 国土資源部のデータによると、中国大陸の3,000〜10,000メートルの深層部にある高温岩体資源は標準炭換算で860兆トン、全国の年間エネルギー消費総量の26万倍に相当する。但し、中国の利用可能な地熱資源は豊かであるが、実際の開発利用量との間には大きな差がある。専門家によると、中国は1970年代初頭に地熱発電開発に着手したが、低温地熱発電の小型試験プラントはほとんど停止され、発展したのはチベットだけである。地熱資源の開発利用はまだ初期段階に止まっており、資源の探査と評価の程度が低く、キーテクノロジーのブレークスルーが必要である。地熱の開発利用には統一的な計画が欠如し、管理が分散している。中国の地熱発電設備は世界の地熱発電国22ヵ国の中で第14位であり、技術や管理面で先進諸国との間になお一定の格差がある。

 専門家は全社会を動員して中国の地熱発電事業の発展を推進するため、チベットの潜在高温地熱田の探査を速やかに展開すべきであるとして、次のように提言する。探査と評価の完了した羊易地熱田の他に、青海チベット鉄道沿線の高温地熱資源を優先的に開発すべきである。また、地熱発電の系統連系電力価格助成措置を明確にし、既存の羊八井地熱発電に対する系統連系電力価格助成を基礎に、新たな地熱田開発に対してより優遇度の高い助成措置を適用すべきである。チベット地熱発電工程研究センターの役割をもっと発揮させ、大型・高効率スクリューエキスパンダー地熱発電技術の研究と実証や多機能コンテナ型地熱発電設備の研究開発、羊易高温地熱田熱貯蔵工学モデル研究、高温地熱井掘削技術の研究開発、羊易地熱田再圧入技術プランの研究といった科学技術事業を重点的に支援する。

 (科技日報 1月28日)