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【石油・天然ガス】

スモッグが石油製品値上げの口実になる恐れも (13/02/04)
2013/2/9
中国【石油・天然ガス】

 昨日は高品質の石油製品を生産しないのは国家標準が緩いからであると言い、今日は「国4」標準へのグレードアップを高らかに宣言した中国石油化工(SINOPEC)に対し、国際原油価格の上昇圧力に加え、スモッグさえも口実にして、石油製品のグレードアップによるコスト上昇を製品価格に転嫁し、新たなインフレを引き起こすのではないかと、消費者は懸念し始めている。

 シノペックの傅成玉会長は1月31日、北京のスモッグについて、製油企業はその直接責任の一端を負うとしつつも、製油企業が高品質の石油製品を生産できないからではなく、中国の標準が緩いことに原因であると述べた。

 傅成玉会長の発言に世論は疑問を投げかけた。中国最大の製油企業として、スモッグに対する自動車排気ガスの影響を国家標準のせいにするのでは責任逃れの誹りを免れない。実際には、中国は2011年にガソリンの国4標準を施行したが、企業は2014年まで猶予を与えられたに過ぎない。

 世論の圧力を受けたシノペックは翌2月1日、今年末までに傘下12企業の脱硫を向上する装置をすべて完成、稼動させ、来年から国4標準の石油製品を全面的に供給すると宣言した。

 アモイ大学中国エネルギー研究所の林伯強主任の見方によると、石油製品のグレードアップは決して技術的に難しくはない。しかし、化学工業関係者の間では、国内の広い範囲で石油製品標準を引き上げるには価格が難題になると見られている。石油製品のグレードアップに伴うコストを市場に転嫁すれば、消費者がそのツケを払うことになる。

 「国4」ガソリンも含め石油製品の値上げは好ましいことではない。ペトロチャイナやシノペックが利益を「消費者」と「環境」に還元することが期待される。

 (揚子晩報網 2月4日)