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【石油・天然ガス】

中露天然ガス長期貿易契約条件が6月確定へ (13/03/25)
2013/3/29
中国【石油・天然ガス】

 ロシア新聞3月23日付報道によると、ロシア天然ガス会社Gazpromのミレル総裁は、中露両国がロシア天然ガス対中輸出契約の条件を今年6月に確定する計画であると表明した。年末には価格交渉も成り、長期契約が調印される見込みである。

 ミレルによると、3月22日に中国石油天然ガス集団(CNPC)と調印した覚書に基づき、ロシアの天然ガス対中輸出は「シベリアの力」パイプライン(チャヤンダ−ハバロフスクーウラジオストク)の東ルートを優先するとともに、長期契約の期限を30年として、2018年からガス供給を開始する。年間供給量は380億m3であるが、その後の協議次第で600億m3に増やすことも可能である。

 業界筋によると、習近平主席の訪問は、膠着していた中露天然ガス協力に春風をもたらした。東西両ルートの天然ガスパイプラインがともに完成すると、年間680億m3のロシア天然ガスが中国に供給されることになる。これは中国の天然ガス年間消費量1,400億m3の3分の1に当たる。東ルートにおける液化天然ガス事業についても研究と実証を進め、一方、西ルートは西気東輸パイプラインによって深センと香港まで延伸させる。クリーン・エネルギーである天然ガスの使用によって、現在その70%を石炭に依存する中国のエネルギー消費構造は大きく変わることになり、スモッグの発生率も下がる。上海社会科学院上海協力機構研究センターの李立凡事務局長によると、採掘、サービス、リース等の業務も含めて「上流・下流一体化協力」を展開し、共同開発を強化することが今後の中露エネルギー協力の発展方向になる。

 国務院発展研究センター・ユーラシア研究所の孫永祥研究員は、天然ガス最終合意にとっては価格が依然として「ねじれ」であると指摘する。中国側の要求価格はロシア側よりも約100ドル/千m3低い。これに両国のエネルギー協力の多元化も加わって、中露の価格交渉は第三者にとっても駆け引きを行う上で参考になる。中国は中央アジア地区から比較的安い価格で天然ガスを獲得している。一方、ロシアの「独立新聞」の報道によると、韓国は比較的高い価格でロシアガスを受け入れる用意があり、日本はロシアとLNG生産基地の共同建設でMOUに覚書に調印した。天然ガス価格が最終的に落着させるには、中露双方が戦略協力の見地から解決方法を模索することが求められる。中露両国が石油・ガスや石炭など在来分野だけでなく、水力発電や原子力など非在来型エネルギー分野の協力をより一層拡大して、エネルギー「立体協力」の展望を描くこともまた中露エネルギー戦略協力にとって然るべき意義を有する。 

 (解放日報 3月25日)