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【新エネルギー】

サンテックパワーが在イタリアPV事業を売却の意向 (13/04/17)
2013/4/25
中国【新エネルギー】

 尚徳電力(サンテックパワー)のスポークスマンは、同社がイタリアに有するPV事業を売却する可能性があると表明した。サンテックは策を講じて目下20億ドルに上る債務を削減しようとしている。サンテックパワーはグリーンテクノロジーの筆頭企業としてニューヨーク証券取引所にも上場し、時価総額は最高160億ドルに達したが、先月、最大子会社の破産を発表した。

 消息筋によると、サンテックパワーはGlobal Solar Fund Sicar(GSF Sicar)株の88.15%を売却することを検討している。GSF Sicarはルクセンブルクにあるファンドであり、主にイタリアの太陽光発電事業に投資している。

 サンテックパワーのスポークスマンは「GFSの経営を維持することを希望しているが、可能性のあるあらゆるプランを検討して各方面の利益の最大化を図るようにしたい」としている。

 アナリストの見積もりによると、GSF Sicarの企業価値は8億ドルに上り、その中には中国国家開発銀行からの6億ドルの融資も含まれる。

 前出の消息筋によると、サンテックパワーは一部資産を売却するとともに、戦略投資家を引き入れて、債務を弁済し企業を活性化することを検討している。しかし、サンテックパワーがGSF Sicarの権益を処分しても、その収入では債務を償還するのに十分ではないとアナリストは言う。昨年3月末時点のサンテックパワーの債務は約22億ドル、純負債率は200%に達していた。

 企業情報を提供するHIS社の中国駐在アナリストGlenn Gu氏は、「サンテックパワーが速やかにGSFの権益を売却できるかどうかについては極めて懐疑的だ。最終的には大幅に割引して売却することも考えられる」と指摘する。

 サンテックパワーのスポークスマンによると、GSF Sicarはイタリアに合計142MWのソーラー事業を有し、うち141MWがすでに系統連系し、118MWにはイタリアの補助賦課金電力価格が適用されている。補助賦課金電力価格は各国政府がクリーン・エネルギー開発を促進する主要政策の一つであるが、欧州債務危機によりドイツやイタリアなどは再生可能エネルギーに対する補助金を削減し、そのため、この2年のソーラーパネル価格の暴落を招いた。

 中国のソーラーモジュール企業の幹部は、現時点では未だソーラーパネル産業に回復の兆しは見られないと言う。また、EUは今年6月、中国が生産するソーラーモジュールに反ダンピングを適用するかどうかを決定することになり、中国のメーカーは四面楚歌に陥っている。

 (ロイター 4月17日)