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中国
【新エネルギー】

シノペックが微藻類系バイオエネルギー開発を加速 (13/04/17)
2013/4/25
中国【新エネルギー】

 中国石油化工(SINOPEC)は近年、グリーン・エネルギー分野の開発を前向きに推進しており、シェールガスや地熱等の非在来型エネルギーに加え、微藻類によるバイオディーゼルにも取り組んでいる。

 石油化工科学研究院の副主任であり、微藻類研究チームの主要研究員でもある栄俊峰氏は、微藻類は未来のエネルギーの重要な発展方向の一つであると指摘する。地球上には20〜80万種の微藻類があり、その多くは特定の環境下で大量の油脂を蓄積し、バイオディーゼルの生産に当てることが出来る。

 2012年7月、製油所のCO2排ガスを炭素源とする中国初の「微藻類養殖実証プラント」が石家荘煉化に完成、稼動した。微藻類養殖実証基地は敷地面積500平米、微藻類養殖の環境条件を満たしており、CO2排出削減と微藻類養殖試験を展開することが保証されている。実証基地ではクロレラ、セネデスムス、コッカスの国内3品種を養殖し、総体積は40,000リッターを超える。微藻類の養殖に必要なCO2は、製油所の排煙を冷却、加圧して、微藻類養殖の光バイオリアクターに引き入れる。

 微藻類は油脂が多く、成長が速く、炭素固定や水質浄化か可能であり、トウモロコシや大豆等に比べ生育のための敷地が少なくすむ。また、成長サイクルが短く、出生から製油までわずか2週間しか要しない。微藻類の含油量は大豆の約10倍、アブラナや落花生の7〜8倍である。

 微藻類にはこのように大きなメリットを備えるが、しかし、現実には大きな問題にも直面している。微藻類による製油コストは通常のバイオディーゼルの4倍に上る。米国や欧州はすでに微藻類バイオディーゼル計画をスタートさせているが、工業化に到るまでにはまだまだ時間がかかる。中国の触媒剤の父でありSINOPECの微藻類バイオディーゼル開発を最も早い時期に唱導した閔恩沢院士によると、微藻類は回収、濃縮、油脂抽出等の面では大きなブレークスルーを遂げたが、工程の簡略化や設備投資と生産コストの引き下げが未だ実現していない。微藻類の培養の面では、遺伝子工学を用いて改造を加え、含油量や生成速度の面で打開を遂げなければならない。

 (中国石化報 4月17日)