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中国
【石油・天然ガス】

中緬石油ガスパイプラインが年末にも試運転の見込み (13/05/08)
2013/5/16
中国【石油・天然ガス】

 雲南省の高樹勲副省長は中国・東南アジア経済貿易協力と中国・南アジア博覧会の発表会において、中緬石油パイプラインの施工は順調に進んでおり、今年末か来年初頭に試運転に入ることが出来るとの見通しを示した。中緬石油ガスパイプラインは中国西南地区のエネルギー不足を緩和し、エネルギーセキュリティを確保し、石油と天然ガスの輸入方式を多元化する上で重要な意義を有している。

 中緬石油ガスパイプラインは中国第4のエネルギー輸入戦略ルートになる。ミャンマー国内の全長は771キロ、中国国内における原油パイプラインの全長は1,631キロ、ガスパイプラインは1,727キロ。年間2,200万トンの原油と120億m3の天然ガスを輸送する。中緬原油パイプラインによって中東からの原油を、マラッカ海峡を迂回して、インド洋でミャンマーに陸揚げし、パイプラインによって中国に輸送することを可能にする。高樹勲副省長によると、中緬石油ガスパイプラインの中国国内における工事は順調に進んでおり、ミャンマー国内区間の工事も急がれている。今年上半期には天然ガスパイプラインが先に開通する見通しであり、石油パイプラインは今年末か来年初頭に試運転に入ることが出来る。

 急速な経済成長に伴い、中国のエネルギー対外依存度も急速に上昇しており、石油対外依存度は今世紀初頭の32%から、今やは57%に上昇した。中東とアフリカが中国の最も主要な石油輸入先であるが、中国が中東とアフリカから石油を輸入するには必ずマラッカ海峡を経由しなければならず、そのことは中国のエネルギーセキュリティに大きな潜在的脅威をもたらしている。そのため、中緬石油ガスパイプラインの完成によって現在のマラッカ海峡に対する過度の依存を減らし、エネルギーセキュリティの向上と輸入方式の多元化を有効に進めることが出来ると、中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は指摘する。業界関係者によると、マラッカ海峡を経由して原油をはるばる広東省湛江や浙江省寧波に輸送する「太平洋ルート」に比べると、中緬石油パイプラインは1,200キロ余り近くなり、に安全性も大幅に高まる。

 中緬石油ガスパイプラインは中東とアフリカからの原油を輸送するだけでなく、ミャンマーの天然ガスを中国に輸送して、中国西南地区のエネルギー不足を改善することも出来る。ミャンマーの天然ガス埋蔵量は世界第10位であるが、これまでミャンマー産ガスの主要市場はタイとインドであった。中緬パイプラインが完成すると、ミャンマーは中国への天然ガス輸出を増やすことになる。「中国西南地区には未だ関連する石油ガスパイプラインがないが、中緬石油ガスパイプラインが完成すると、中東、アフリカ、ミャンマーの石油・天然ガス資源がパイプラインによって直接雲南や広西などエネルギー不足地区に輸送される」と林伯強主任は言う。

 中緬石油ガスパイプラインは中国第4のエネルギー輸入ルートと呼ばれる。中国東北部の中露原油パイプライン、中国・カザフスタン原油パイプライン、中央アジア天然ガスパイプラインに中緬石油ガスパイプライン、そしてマラッカ海峡を経由する「黄金水道」も加えて、東北、西北、西南並びに東南の4本のエネルギー輸入戦略ルートは全て基盤が固められている。

 (北京商報5月8日)