1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中国がロシアと巨額の石油供給契約 毎年大慶油田1個分輸入へ (03/06/23)
2013/6/28
中国【石油・天然ガス】

 ロシアのプーチン大統領立会いの下に、サンクトペテルスブルグにおいて中国とロシアは長期石油供給契約に調印した。シアは向こう25年間、中国へ年間4,600万トンの石油を供給することになる。契約額は2,700億ドルに達する。

 「大慶油田の現在の石油年産量は4,000万トン。今回の契約は中国にもう一つの大慶油田をもたらすことになる」。中国石油大学エネルギー戦略研究院の王震常務副院長は「これは中国の石油安定供給にとって有力な保障になる」と言う。

 中国の経済成長に伴い、石油需要が大幅に増加し、石炭生産量の伸びを大きく上回っているため、石油供給がますます需要に追いつかなくなっている。中国の石油対外依存度は2000年の30.2%から2012年には57.8%に上昇した。

 アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、「非在来型エネルギーが発展しないうちは、安定した石油供給源を見出すことが中国のエネルギーセキュリティ確保にとって極めて重要だ」「エネルギー大国であるロシアは中国に安定供給をもたらすことが出来る。また、両国が陸上で国境を接していることを考えると、石油輸送の安全も確保される」と述べた。

 今回の契約で確定した金額について、中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳鳳英所長は、世界人口の増加と経済成長、ますます困難になる石油採掘や米国のシェールガス革命など、種々のリスクのバランスを取った上での判断であると指摘する。陳鳳英所長は、「米国のシェールガス革命が引き起こした世界のエネルギー構造の変化は、中露エネルギー協力や中国と中東諸国のエネルギー協力交渉にとって有利に働く」と言う。

 中国の石油輸入は、量は固定的であるが、価格は固定ではないというのが慣行である。今後逐次調印される商業契約においては、双方が過大な市場リスクを負担しないよう国際石油価格の変動に応じて価格を調整することになる。

 王震氏によると、今回の中露協力はロシアにとっても大きな利益になる。ロシアのエネルギーの伝統的な市場は欧州であるが、現在欧州経済は停滞し、エネルギー市場は萎縮しつつある。2000年以降、ロシアの石油生産量は安定的な増加傾向にあるが、増産されているのはほとんどが極東地区である。そのためアジア市場、特に最大のエネルギー消費大国である中国はロシアにとって最良の選択肢になり、ロシアはここ数年、東方、特に中国に目を向けるようになった。

 ロシアエネルギー省の統計によると、2012年のロシアの石油生産量は1,037万BDに上る。ロシアはサウジアラビアを超える世界最大の産油国であり、財政収入の半分を石油ガス収入が占める。林伯強氏は、「中国とロシアの資源面の相互補完性は極めて明確であり、そのため双方の協力が促されている」「中国とロシアには天然ガス、石炭、電力や水資源などいずれの分野においても協力の余地があり、両国のエネルギー協力は今後ますます拡大する」と指摘する。

 また、中国石油大学中国石油ガス産業発展研究センターの董秀成主任も、長期石油契約を端緒に、中露天然ガスパイプラインの建設や中国三大石油企業のロシア国内における石油・天然ガス資源探査開発への参入などが後続協力事業になるとの見方を示す。この2つの協力事業は中国にとってより一層重要な意義がある。

 プーチン大統領は、LNGの輸出制限を徐々に緩和し、特にアジア太平洋市場へのLNG輸出を増やすと表明した。また、プーチン大統領は、中国石油天然ガス集団(CNPC)とロシアの天然ガス生産企業Novatek社との間でCNPCがヤマルLNG事業の株式の20%を取得することが合意されたとも指摘した。
 
 (新華社 6月23日)