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【石炭】

ペトロチャイナが深刻なコスト割れで100億元の炭層ガス事業を一時中断 (13/07/05)
2013/7/11
中国【石炭】

 中国石油天然ガス(PetroChina)は投資額100億元超に上る山西、陝西等の炭層ガス井2,000余坑の開発を一時中断する計画である。その原因は、技術問題に加え、生産量が予想を下回り、コストと収入の深刻な逆ザヤが生じることがある。

 PetroChinaの炭層ガス事業の責任者によると、炭層ガス井の生産量は最高でも1日1,000m3余りであり、最も低いガス井の場合、わずか200m3でしかない。現在の平均生産量をもとに計算すると、2,000余坑の炭層ガス井の総収入はわずか40億元程度に過ぎず、100億元の投資額との間には極めて大きな落差がある。PetroChinaがこのようなコスト割れの商売をするはずもない。

 業界の専門家の分析では、ガス産出量が低い主な原因は採収技術の問題にある。PetroChinaは今後新たな技術を研究した上で、ガス産出量の確保を前提に採収を進めることになる。「非在来型天然ガスは開発自体が一種の冒険である」「ボーリングを行ってもガスがないという事態は頻繁に起こっている」というのが業界の見方である。たとえ確認埋蔵量が豊かであっても、地理的条件や技術上の制約のため、最終的には実際の採収量が徐々に減少することになる。その上、現在の探査手法では、企業の糠喜びに終わる事態が度々ある。

 中国の非在来型天然ガス開発技術は西側諸国の水準に達しておらず、目下技術システムを構築中であると、PetroChinaは率直に認めている。PetroChina政策研究室発展戦略課の唐延川課長によると、炭層ガスやシェールガスといった非在来型天然ガスはPetroChinaの新たなエネルギー発展の方向性にはなるが、まだ始まったばかりであり、技術の要所を押さえることが主要目的であって、収益は今のところ話にならない。卓創資訊の新エネルギーアナリストである王暁坤氏は、中国の炭層ガスやシェールガスには大きな開発ポテンシャルが備わっており、「たとえコストとリスクが高くとも、大手石油企業は試しにやってみて、開発の機先を制しようとしている。最終的に打開が出来れば、企業に莫大な利益がもたらされることは明らかだ」という。

 (北京商報 7月5日)