1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

輸入炭が中国国内の市場に衝撃も専門家は石炭輸入を制限すべきではないと主張 (13/06/28)
2013/7/8
中国【石炭】

 中国海関総署の統計によると、中国の5月期の石炭輸入量は2,757万トン、石炭企業は輸入炭が国内市場に著しい衝撃を与えていると指摘する。しかし、専門家は、海外炭の輸入を制限すべきではないと主張している。

 エン鉱集団の李位民総経理(社長)によると、同社の1〜5月の赤字は8億元を超えている。国家統計局のデータによると、1〜5月の一定規模以上の石炭企業は43.9%の減益となった。2012年に2.89億トンであった中国の石炭輸入量は2013年には3億トンを超える見通しであり、輸入炭が国内市場に及ぼす影響はますます大きくなると、李総経理は指摘する。また、海外炭は品質に優れ、種類も多く、価格上の優位が顕著であるとのこと。

 山東省石炭運銷協会の于秀忠副会長は、国内消費量に占める輸入炭の比率は10%足らずであり、東部沿海省への影響は比較的大きいが、衝撃は局部的であると見ている。于秀忠氏は、いわゆる輸入炭の衝撃の主な原因は中国の石炭生産地域と消費地域がアンバランスであり、石炭消費地域の石炭価格が相対的に高すぎることにあると言う。

 また、于秀忠氏は、中国の石炭生産能力が安定しつつ低下する中で、石炭輸入量は高い水準が続くと指摘する。于秀忠氏は、石炭輸入の制限をめぐって企業間で意見は異なるが、石炭輸入は中国の石炭の安定供給にとって有利であると考えている。于秀忠氏によると、中国の石炭企業が海外で買収した炭鉱からの「輸入炭」もある。例えば、エン州煤業(エン鉱集団の中核上場会社)の海外資産は資産総額の3分の1を占める。エン鉱集団の李位民総経理もこうした点を認めている。李位民氏によると、エン鉱は目下内外一体化の流通体系を構築中であり、エン鉱のオーストラリア法人から石炭を合法的に中国国内市場に参入させて、増益の余地を拡大しようとしている。中国企業の海外炭鉱買収について、山東大学経済学院の李鉄崗教授は、戦略的買収と生産経営的な買収の関係を協調させるよう留意し、盲目的な買収を避けなければならないと指摘する。于秀忠氏もまた、中国企業のこれまでの海外鉄鉱山の買収を総括して教訓を汲み取るべきであると注意を促している。
 
 (中国新聞網 6月29日)