ジュンガル経済技術開発区管理委員会から入手した情報によると、中国石油化工(SINOPEC)が中心になって進めている新疆准東SNG実証プロジェクトが国務院から承認され、すでに国家能源局の許認可手続きに進んでいる。本事業は中国最大の投資規模を誇るSNG(代替天然ガス)プロジェクトになり、今回の承認により、准東のSNG開発は実質的な打開を遂げ、事業は計画段階から実際の開発段階に入り始めた。 新疆准東SNG実証プロジェクトは、第12次5ヵ年規画期において国の「石炭深加工実証事業計画」に盛り込まれた石炭化学工業事業の一つであり、SINOPECを中心に、華能、エン鉱、新疆龍宇能源、●安(サンズイに路)、神華等が参加する。事業申請されている年産能力は360億m3、投資額は約2,000億元に上る。うちSINOPECのSNG生産能力が最も大きく、年80億m3に達する。SINOPECは准東大井南と大慶溝の2ヵ所の石炭資源148億トンを基礎としてSNGを生産し、SINOPECの「新疆・広東・浙江」ガスパイプラインによって東南沿海地区に輸送する。同事業は完成すると、中国乃至は世界最大のSNGプラントになる。 新疆准東地区では様々な規模のSNGプロジェクトが15件も申請されており、総事業規模は669億m3、計画投資額は合計3,558.5億元に上る。その中で比較的速く進展している事業が次の3件で、合計120億m3、計画投資額652.3億元になる。 華能40億Nm3、総投資額229.4億元 龍宇40億Nm3、総投資額211.2億元 中煤能源40億Nm3、総投資額211.7億元 その他にも新疆自治区を通して発展改革委員会に正式に届出がなされている事業が12件、合計549億N m3規模になり、投資額は合計2,906.2億元に上る。その種の事業には、華電の60 m3、大唐の40 m3、浙能集団の100 m3等がある。「これらの事業は未だ国からの正式承認を獲得しておらず、計画段階に止まっている。国はSNG事業の許認可に極めて慎重であり、たとえ承認されても一挙にパスすることはなく、段階的な許認可になる」と、准東経済技術開発区管理委員会の関係者は指摘する。 SNG発電は火力発電に比べ汚染源が集中しており、処理が相対的に容易である。処理コストも低く、所在地区の環境保護キャパシティも大きい。 しかしながら、SNGは水と輸送パイプラインに大きく依存し、投資額が大きく、コストが高く、投資回収に時間がかかるなどのデメリットもある。そのため、中国政府はSNG事業の許認可には慎重な態度を貫いている。 2010年以降、中国で起こったSNG開発熱を受けて、国家発展改革委員会はSNG事業に対する許認可を厳しくするようになった。そのため、新疆のSNG開発事業も冷却期が続き、イリやハミなどの地方は事業計画を推進したが、実際に稼動した事業は一件もなく、大多数は地方政府の届出支援の段階に止まっていた。 今回、新疆准東のSNG実証プロジェクトが承認されたことは中国の多くのメディアの注目を集め、国がSNG政策を緩和し始めたものと解釈されている。 業界関係者の分析によると、中国国内の情勢は数年前に比べ大きな変化が生じ、SNGにとっては極めて有利な状況になっている。「政府は第12次5ヵ年規画期末に天然ガス市場価格の仕組みを確立するよう求めており、天然ガス価格の高騰は必至だ。一方、石炭の国際価格は下落を続け、加えて国内のガス不足状況が突出している。そのためSNGプロジェクトの許認可が相対的に緩和される段階に進んでいることは明らかだ」と業界関係者は言う。 新疆自治区発展改革委員会等の部門からの情報によると、新疆の石炭予測資源総量は2兆トンで、中国全体の40%を占め、全国トップ。未来のSNG開発の表舞台になるだろう。 12社の企業が新疆自治区において14件のSNG事業の建設を進めているかもしくは建設を準備しているが、その大多数はイリ、准東、富薀など石炭と水資源の豊かな地区に集中している。新疆自治区の第12次5ヵ年規画によると、20件のSNG事業が自治区の建設目標に盛り込まれており、年産能力は767億m3に達する。現在、中国石油天然ガス(PetroChina)とSINOPECが新疆からの天然ガスパイプライン7本を建設する計画であり、新疆のSNGの販路問題が解決される。 PetroChinaのSNGパイプライン支線は全長約430キロ、新疆におけるパイプライン建設投資は1,000億元超になる。建設済みの第1西気東輸パイプラインと第2西気東輸パイプラインを加えると、PetroChinaの新疆からのパイプライン輸送能力は、年間2,570億m3に上る。 一方、SINOPECは、新疆・広東・浙江パイプラインと新疆・山東パイプラインの2本の天然ガスパイプラインを建設して、華能、華電、国電等の電力企業とSNG売買枠組契約を結ぶ計画である。SINOPEC自身が投資する80億m3の准東SNGプロジェクトも加えると、SINOPECの新疆からのパイプラインガス輸送能力は2015年には年間480億m3に達する見通しである。 (中国産業経済情報網 8月12日)
ジュンガル経済技術開発区管理委員会から入手した情報によると、中国石油化工(SINOPEC)が中心になって進めている新疆准東SNG実証プロジェクトが国務院から承認され、すでに国家能源局の許認可手続きに進んでいる。本事業は中国最大の投資規模を誇るSNG(代替天然ガス)プロジェクトになり、今回の承認により、准東のSNG開発は実質的な打開を遂げ、事業は計画段階から実際の開発段階に入り始めた。
新疆准東SNG実証プロジェクトは、第12次5ヵ年規画期において国の「石炭深加工実証事業計画」に盛り込まれた石炭化学工業事業の一つであり、SINOPECを中心に、華能、エン鉱、新疆龍宇能源、●安(サンズイに路)、神華等が参加する。事業申請されている年産能力は360億m3、投資額は約2,000億元に上る。うちSINOPECのSNG生産能力が最も大きく、年80億m3に達する。SINOPECは准東大井南と大慶溝の2ヵ所の石炭資源148億トンを基礎としてSNGを生産し、SINOPECの「新疆・広東・浙江」ガスパイプラインによって東南沿海地区に輸送する。同事業は完成すると、中国乃至は世界最大のSNGプラントになる。
新疆准東地区では様々な規模のSNGプロジェクトが15件も申請されており、総事業規模は669億m3、計画投資額は合計3,558.5億元に上る。その中で比較的速く進展している事業が次の3件で、合計120億m3、計画投資額652.3億元になる。
華能40億Nm3、総投資額229.4億元
龍宇40億Nm3、総投資額211.2億元
中煤能源40億Nm3、総投資額211.7億元
その他にも新疆自治区を通して発展改革委員会に正式に届出がなされている事業が12件、合計549億N m3規模になり、投資額は合計2,906.2億元に上る。その種の事業には、華電の60 m3、大唐の40 m3、浙能集団の100 m3等がある。「これらの事業は未だ国からの正式承認を獲得しておらず、計画段階に止まっている。国はSNG事業の許認可に極めて慎重であり、たとえ承認されても一挙にパスすることはなく、段階的な許認可になる」と、准東経済技術開発区管理委員会の関係者は指摘する。
SNG発電は火力発電に比べ汚染源が集中しており、処理が相対的に容易である。処理コストも低く、所在地区の環境保護キャパシティも大きい。
しかしながら、SNGは水と輸送パイプラインに大きく依存し、投資額が大きく、コストが高く、投資回収に時間がかかるなどのデメリットもある。そのため、中国政府はSNG事業の許認可には慎重な態度を貫いている。
2010年以降、中国で起こったSNG開発熱を受けて、国家発展改革委員会はSNG事業に対する許認可を厳しくするようになった。そのため、新疆のSNG開発事業も冷却期が続き、イリやハミなどの地方は事業計画を推進したが、実際に稼動した事業は一件もなく、大多数は地方政府の届出支援の段階に止まっていた。
今回、新疆准東のSNG実証プロジェクトが承認されたことは中国の多くのメディアの注目を集め、国がSNG政策を緩和し始めたものと解釈されている。
業界関係者の分析によると、中国国内の情勢は数年前に比べ大きな変化が生じ、SNGにとっては極めて有利な状況になっている。「政府は第12次5ヵ年規画期末に天然ガス市場価格の仕組みを確立するよう求めており、天然ガス価格の高騰は必至だ。一方、石炭の国際価格は下落を続け、加えて国内のガス不足状況が突出している。そのためSNGプロジェクトの許認可が相対的に緩和される段階に進んでいることは明らかだ」と業界関係者は言う。
新疆自治区発展改革委員会等の部門からの情報によると、新疆の石炭予測資源総量は2兆トンで、中国全体の40%を占め、全国トップ。未来のSNG開発の表舞台になるだろう。
12社の企業が新疆自治区において14件のSNG事業の建設を進めているかもしくは建設を準備しているが、その大多数はイリ、准東、富薀など石炭と水資源の豊かな地区に集中している。新疆自治区の第12次5ヵ年規画によると、20件のSNG事業が自治区の建設目標に盛り込まれており、年産能力は767億m3に達する。現在、中国石油天然ガス(PetroChina)とSINOPECが新疆からの天然ガスパイプライン7本を建設する計画であり、新疆のSNGの販路問題が解決される。
PetroChinaのSNGパイプライン支線は全長約430キロ、新疆におけるパイプライン建設投資は1,000億元超になる。建設済みの第1西気東輸パイプラインと第2西気東輸パイプラインを加えると、PetroChinaの新疆からのパイプライン輸送能力は、年間2,570億m3に上る。
一方、SINOPECは、新疆・広東・浙江パイプラインと新疆・山東パイプラインの2本の天然ガスパイプラインを建設して、華能、華電、国電等の電力企業とSNG売買枠組契約を結ぶ計画である。SINOPEC自身が投資する80億m3の准東SNGプロジェクトも加えると、SINOPECの新疆からのパイプラインガス輸送能力は2015年には年間480億m3に達する見通しである。
(中国産業経済情報網 8月12日)