1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国がエネルギー消費に占める石炭の比率を5年以内に65%まで引き下げ (13/09/13)
2013/9/19
中国【石炭】

 最近公布された《大気汚染行動計画》は石炭を大幅に圧縮するとの中国政府の決意を示すものであり、2017年には中国のエネルギー総消費量に占める石炭の比率は65%以下に引き下げられることになる。

 9月12日に正式公布された《大気汚染行動計画》は中国の広範囲のスモッグ汚染を対象に、向こう5年間における大気汚染管理の10ヵ条の措置と35項目の細則を打ち出している。エネルギー構造を調整し、クリーン・エネルギーの供給を増やすことも10ヵ条の大気汚染防止措置の一つになる。

 計画によると、今後5年、中国は石炭消費総量を引き続き抑制し、石炭消費総量の中長期的抑制目標を策定し、目標責任管理制度を実施することになる。北京・天津・河北地区、長江デルタ、珠江デルタ等のエリアでは石炭消費総量の増加をマイナスにし、対外送電の受入電力比率を高め、天然ガスの供給を増やし、非化石エネルギーの利用を増やして、石炭からの転換を進める。

 同計画は、石炭消費を削減すると同時に、クリーン・エネルギーの代替利用を増やすことも、今後5年間におけるエネルギー構造転換の重点として打ち出している。クリーン・エネルギーの代替利用には、天然ガス、SNG(石炭系代替天然ガス)、炭層ガスの供給拡大、水力発電の秩序ある発展、地熱エネルギー、風力、ソーラー、バイオマスの開発と利用や、安全で効率的な原子力発電開発などが包摂される。

 同計画は、今後5年間で原子力発電が相当大きく進むことを示唆している。2017年には運転中の原子力発電設備容量は5,000万kWに達する。2012年末時点の中国の運転中の原子力発電設備容量はわずか1,362万kWであり、非化石エネルギーの比重は9.1%であったが、5年後には中国の非化石エネルギーの比重は13%に高まる。

 エネルギー構造の転換促進措置にはクリーン・コールの推進やエネルギー使用効率の向上も含まれる。

 一部の環境保護組織の見方によると、今回の《大気汚染防止行動計画》は待望久しかったものであり、国家レベルにおいて5年間の大気環境改善目標が打ち出され、大気汚染管理に対する政府の決意を体現している。しかしながら、石炭消費の削減やエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比重の向上など具体的な措置において中国はさらなる前進を要する。

 「中国は再生可能エネルギーの変革を経る必要がある。再生可能エネルギーは大気汚染問題の根本的な解決策になると信ずる」と世界自然基金(WWF)中国気候エネルギープロジェクトの盧倫燕総監は指摘する。今回の計画は2017年のエネルギー消費総量に占める石炭の比率を65%以下にすると提示することで、第12次5ヵ年計画並びに国家中長期計画の石炭消費総量と非化石エネルギーのシェアに対する目標を改めて打ち出した。

 「しかしながら、エネルギー消費総量に占める石炭の比率は2012年末にはすでに67%まで下がっている。我々は中国政府がもっと積極的な目標を設定して、石炭消費をもっと厳重に規制し、より速やかに石炭の比率を下げるよう呼びかけている」と盧倫燕総監は言う。

 (中国能源網 9月13日)