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【石炭】

《大気汚染行動計画》2017年の石炭シェア65%以下への引き下げに向け10項目の措置 (13/09/17)
2013/9/24
中国【石炭】

 国務院は先般《大気汚染行動計画》を公布して、10項目の大気汚染防止措置を確定した。同計画によると、2017年にはエネルギー総消費量に占める石炭の比率を65%以下に引き下げ、原炭の選炭比率を70%以上とする。また、石炭消費総量の規制も打ち出し、石炭消費総量の中長期的抑制目標を策定して、目標責任管理制度を実施する。

 北京・天津・河北地区、長江デルタ、珠江デルタ等の新規建設事業については、付属の石炭火力自家発電所の建設を禁止する。石炭消費事業は石炭の減量と代替を実施しなければならない。コージェネレーションを除いて石炭火力発電事業の新規建設を禁止する。既存の複数の石炭火力発電ユニットが合計30万kW以上になる場合、石炭の等価代替の原則に従って大容量石炭火力発電ユニットを建設する。

 石炭からクリーン・エネルギー利用への転換を進める。天然ガス、SNG(石炭ガス化)、炭層ガスの供給を拡大する。2015年には天然ガスのトランクパイプラインの輸送能力を1,500億m3以上にして、北京・天津・河北地区、長江デルタ、珠江デルタ等のエリアをカバーする。SNG開発計画の策定に当たっては、最も厳正な環境保護要件を満たし、水資源の供給確保を前提に、SNGの工業化と大規模化のペースを加速させる。クリーン・コールの利用を推進し、選炭比率を高め、炭鉱の新規建設に当たっては選炭施設の同時建設を義務付ける。2017年には原炭の選炭比率を70%以上とする。石炭品質管理弁法の制定を検討し、灰分や硫黄分の高い低品位炭の輸入を禁止する。また、高硫黄石油コークスの輸入を制限する。

 都市部の高汚染燃料禁止エリアの範囲を拡大し、都市建設エリアを近郊部に逐次広げる。石炭から天然ガスや電気への転換を徐々に推進する。北方の農村地区にクリーン・コール配送センターを建設するよう奨励して、クリーン・コールと成型炭の使用を推進する。

 今回の行動計画では、2017年に全国の地区級市以上の都市の吸入可能粒子物の濃度を2012年比で10%以上引き下げ、大気優良日の日数を年々増やすようにする。北京・天津・河北地区の微小粒子物濃度を25%引き下げ、長江デルタでは20%、珠江デルタでは15%前後引き下げる。

 以上の目標を達成するため、行動計画は10項目の具体的措置を確定した。第1に総合管理を強化して、汚染物の排出を減らす。第2に産業構造の調整と最適化を進め、経済の転換とグレードアップを推進する。第3に企業の技術改良を加速させ、科学技術イノベーション能力を高める。第4にエネルギー構造の調整を急ぎ、クリーン・エネルギーの供給を増やす。第5に投資事業の省エネ・環境保護参入条件を厳格にし、参入のハードルを引き上げ、産業の空間配置を最適化する。第6に市場メカニズムの作用を発揮させ、環境経済政策を整備する。第7に法規体系を健全なものにし、法に基づく監督管理を厳正に実施する。第8に区域協力の仕組みを確立し、地域環境管理を総合的に計画する。第9にモニタリングとアラーム、緊急対応のシステムを確立し、事前の緊急対応策の策定と整備を進め、即時対応できるようにする。第10に各方面の責任の所在を明確にし、全国民を動員して大気環境の改善に共同で取り組むようにする。

 (中国国際入札網 9月17日)