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【省エネ・環境】

石油製品の品質向上はスモッグ予防と大気環境改善に有効 (13/09/25)
2013/10/3
中国【省エネ・環境】

 国家発展改革委員会は9月23日、自動車用ガソリンと軽油のグレードを第4段階、第5段階に引き上げると発表した。環境保護部も最近、より厳格な軽型自動車汚染物排出上限値を公布した。よりクリーンな燃料とより厳格な自動車排ガス基準を採用することは北京等の都市のスモッグ汚染軽減に有効であると専門家は指摘する。

 自動車の排ガスはPM2.5(微小粒子物)の主要な汚染源の一つである。近年、中国の自動車保有台数の急増に伴い、自動車排ガスに起因する大気汚染がますます増加している。一部都市では大気中のPM2.5の約20%は自動車の排ガスが原因である。北京市の場合、市全体の窒素酸化物の58%、揮発性有機物の40%、微小粒子物の22%は自動車から排出される。

 中国エネルギー研究会の周大地副理事長によると、石油製品の品質は自動車の排ガスに影響する重要なファクターであり、石油製品の品質向上を速やかに推進することはスモッグを防止し、大気環境を改善する上で有効である。

 現行の石油製品標準では、ガソリンの品質を第3段階から第4段階に引き上げると、硫黄含有量は150ppmから50ppmに下がり、第5段階になると、さらに10ppmまで下がる。軽油の硫黄含有量は、第3段階の350ppmから第4段階は50ppmに下がり、第5段階では10ppmに下がる。

 もっとも、北京理工大学自動車動力性・排出試験国家専業実験室の葛蘊珊主任によると、ガソリン車が排出する粒子物の中では硫酸塩の占める割合が大きく、ガソリンの硫黄含有量を引き下げることで粒子物の排出量を直接減らすことになる。ディーゼル車が排出する粒子物は硫酸塩以外にカーボンブラックや発癌性の多環芳香族炭化水素もある。有害物質の排出を有効に低減させるには石油製品の品質をもっと向上させなければならない。

 環境保護部科技標準司の関係者によると、自動車に改造を施さなくとも、第5段階適合のガソリンや軽油を使用するだけで、排ガス中の汚染物は10%減少する。「国5」標準に適合する乗用車は「国4」排ガス標準の場合に比べ、排ガス中の粒子物は82%減少し、窒素酸化物は25%減少する。

 周大地氏によると、大気汚染がますます深刻になる中、石油製品の品質向上を急ぐことは必然の流れであるが、それはスモッグ汚染を緩和する必要な措置の一つに過ぎない。大気環境を根本的に改善するためには様々な側面からの措置を全面的に推進することが必要である。例えば、北京の場合、周辺地区も含む吸入可能粒子物の排出総量が増えることはあっても減ることがなく、気象条件が汚染物の拡散に不利であり、「国5」標準適合の自動車が極めて少ない状況では、石油製品の品質向上に頼るだけでは汚染を有効に抑制することは難しい。

 スモッグを減らし、自動車の排ガスを減らすためには、政府が公共交通サービスを改善して市民が自ら車の運転を減らすようにすること、立体駐車場の整備等によって路肩駐車を減らすこと、政府が公用車を減らし、公共交通を使うことで低公害交通を率先することなどが必要であるというのが、北京市民の意見である。
 
 (新華網 9月25日)