1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

一般炭先物取引により石炭産業の市場化プロセスが加速へ (13/09/26)
2013/10/9
中国【石炭】

 一般炭の先物上場も間もなく開始され、企業は先物市場を利用することで価格変動が企業経営に及ぼすリスクを有効に回避できるようになり、スポット市場の拡大強化の中で、中核的競争力の優位を高められる。同時に一般炭先物の上場は石炭産業の市場化プロセスを加速させることになる。

 第1に、一般炭先物は産業全体の安定性を高めるのに効果がある。先物がなかった時代、市場リスクは産業チェーンの川上と川下の企業が自身で解消するしかなかった。長期的で激しい価格変動は産業に大きな不安定性をもたらしていた。国家統計局のデータによると、7月時点で中国の石炭企業7,790社のうち赤字企業は2,004社に上っている。先物市場は「貯水池」の機能を有している。企業は金融市場を利用してスポット価格のリスクを緩和し、ヘッジング機能によって価格変動のリスクを防止することで企業経営を安定させ、石炭産業の健全で持続可能な発展を促進することにつながる。

 第2に、一般炭先物は石炭産業の市場効率を高める上でも有効である。国務院は今年1月1日から重点石炭契約を撤廃し、発電用石炭価格の二重制を廃止して、石炭企業と電力企業が自主的に価格を協議して契約する形に改めた。「公開・公平・公正」を原則に確立される先物市場価格は、市場価格の変動の透明度を高め、市場価格が人為的に操られるリスクを低減して、スポット市場のより健全な発展を促すことになる。同時に参加者による公開集中競争価格モデルを通して、先物価格は市場の需給関係を迅速かつ正確に反映できるようになる。従来のスポット市場価格の伝達メカニズムに比べるとますます効率的になり、権威的な中長期価格のベンチマークとして、企業が価格を協議する際の参考になる。

 中国の大手企業は先物市場を通してヘッジング操作を活用し、価格の変動リスクを緩和することが出来る。一方、中小企業は取引モデルを刷新して取引量を増やし、資金利用率を引き上げ、自身の中核競争力を高めることが出来る。一般炭先物市場をより良く活用することで、中小企業も徐々に発展、拡大することが出来るのである。

 一般炭先物の上場により中国の石炭市場価格決定のメカニズムは完備され、石炭の市場化に向けた改革が推進され、スポット企業の中核競争力と持続可能な発展能力は高まる。一般炭先物市場が成熟すると、中国は国際的な一般炭の価格を決定するセンターとして重要な役割を発揮するだろう。

 (中国網 9月26日)