大気汚染によって各地方は「石炭制限令」の策定を迫られている。石炭の減少によるエネルギー不足は天然ガスが補完することになる。しかし、天然ガスの十分な供給を確保できるかどうかは懸念される問題になっている。中国能源網の首席情報官である韓暁平氏は「現在全国各地でSNG事業が立ち上げられているが、問題は非常に大きい」と言う。 北京の大気汚染問題を解決するため国家能源局は《北京大気汚染防止エネルギー保障方案》の重点対策を細分化し、4つの側面から任務とプロジェクトを実施することにしたが、その中の一つが天然ガスの供給を増やすことである。発展改革委員会エネルギー研究所前所長の周大地氏は《毎日経済新聞》の取材に対し、天然ガス供給量を増やすことは北京市の一方的な行為ではなく、全国的な要請であるとし、「特に大気汚染管理問題をめぐって天然ガスを石炭に代替させることは有効な措置の一つになる」と述べた。 しかしながら、プロスペクティブ産業研究院のデータによると、2015年には中国の天然ガス需給ギャップは750億m3に達すると予想される。 天然ガス不足を補うため、多くの企業はSNG事業を進めている。報道によると、今年はすでに20件余りのSNG事業が承認されており、向こう3年間のSNG投資規模は2,400億元を超えることになる。 周大地氏によると、SNGが人気を集めている理由として、第1に中国の石炭産業の生産能力過剰があり、石炭企業は外に活路を求めている。もう一つの理由として、中国の天然ガス市場が大発展時代にあり、そのため非常に多くの企業が過剰な石炭を天然ガスに転換することが出来ると考えていることがある。 2012年の中国の石炭在庫は初めて3億トンを突破して3.44億トンに達した。2013年もこの傾向は続き、一層厳しくなる可能性もある。 国家能源局のウェブサイトによると、同局は今年1月以降、合計25件のエネルギー事業を承認したが、その中の13件は炭鉱に関わる事業であった。業界の専門家によると、炭鉱事業が次々と承認されていることは国のSNG事業開発支援と関係があると見られる。 2012年7月、国家能源局省エネ科技装備司の李冶曾司長は、国家発展改革委員会が全国各地から申請された石炭化学事業104件を受理したことを明らかにした。もし申請事業の全てが第12ヵ年規画期に着工された場合、投資規模は2兆元に達する。しかしながら、石炭化学事業、特にSNG事業を大規模に発展させることが合理的であるかどうか、依然として大きな疑問が残る。 周大地氏の見方では、SNGを特に発電に利用することはシステム全体の効率を大幅に低下させることになり、こうしたやり方はエネルギーシステムの点からは合理性に欠ける。 また、一般に主張されている中国の天然ガス資源不足についても、見方に違いがある。韓暁平氏は、中国には豊かな天然ガス資源があるが、問題は十分に開発利用されていないことだけであるとの見方を示す。 実際、科学技術部が2008年に開催した中国石油ガスフォーラム天然ガスシンポジウムにおいて、中国石油会議中国国家委員会の議長であり元石油工業部長であった王濤氏は、最新の天然ガス資源評価の結果から、中国の天然ガス資源量は47兆m3、確認資源量は22兆m3(確認可能率46.8%として試算)に上ると表明した。 価格の制約や間もなく施行される炭素税の影響で、SNGの市場競争力は天然ガスの直接採掘に比べはるかに低いものになる。韓暁平氏は、今後大量の天然ガス資源が採掘されると、多くのSNG事業は市場を失うことになるとの懸念を示した。 (毎日経済新聞 9月26日)
大気汚染によって各地方は「石炭制限令」の策定を迫られている。石炭の減少によるエネルギー不足は天然ガスが補完することになる。しかし、天然ガスの十分な供給を確保できるかどうかは懸念される問題になっている。中国能源網の首席情報官である韓暁平氏は「現在全国各地でSNG事業が立ち上げられているが、問題は非常に大きい」と言う。
北京の大気汚染問題を解決するため国家能源局は《北京大気汚染防止エネルギー保障方案》の重点対策を細分化し、4つの側面から任務とプロジェクトを実施することにしたが、その中の一つが天然ガスの供給を増やすことである。発展改革委員会エネルギー研究所前所長の周大地氏は《毎日経済新聞》の取材に対し、天然ガス供給量を増やすことは北京市の一方的な行為ではなく、全国的な要請であるとし、「特に大気汚染管理問題をめぐって天然ガスを石炭に代替させることは有効な措置の一つになる」と述べた。
しかしながら、プロスペクティブ産業研究院のデータによると、2015年には中国の天然ガス需給ギャップは750億m3に達すると予想される。
天然ガス不足を補うため、多くの企業はSNG事業を進めている。報道によると、今年はすでに20件余りのSNG事業が承認されており、向こう3年間のSNG投資規模は2,400億元を超えることになる。
周大地氏によると、SNGが人気を集めている理由として、第1に中国の石炭産業の生産能力過剰があり、石炭企業は外に活路を求めている。もう一つの理由として、中国の天然ガス市場が大発展時代にあり、そのため非常に多くの企業が過剰な石炭を天然ガスに転換することが出来ると考えていることがある。
2012年の中国の石炭在庫は初めて3億トンを突破して3.44億トンに達した。2013年もこの傾向は続き、一層厳しくなる可能性もある。
国家能源局のウェブサイトによると、同局は今年1月以降、合計25件のエネルギー事業を承認したが、その中の13件は炭鉱に関わる事業であった。業界の専門家によると、炭鉱事業が次々と承認されていることは国のSNG事業開発支援と関係があると見られる。
2012年7月、国家能源局省エネ科技装備司の李冶曾司長は、国家発展改革委員会が全国各地から申請された石炭化学事業104件を受理したことを明らかにした。もし申請事業の全てが第12ヵ年規画期に着工された場合、投資規模は2兆元に達する。しかしながら、石炭化学事業、特にSNG事業を大規模に発展させることが合理的であるかどうか、依然として大きな疑問が残る。
周大地氏の見方では、SNGを特に発電に利用することはシステム全体の効率を大幅に低下させることになり、こうしたやり方はエネルギーシステムの点からは合理性に欠ける。
また、一般に主張されている中国の天然ガス資源不足についても、見方に違いがある。韓暁平氏は、中国には豊かな天然ガス資源があるが、問題は十分に開発利用されていないことだけであるとの見方を示す。
実際、科学技術部が2008年に開催した中国石油ガスフォーラム天然ガスシンポジウムにおいて、中国石油会議中国国家委員会の議長であり元石油工業部長であった王濤氏は、最新の天然ガス資源評価の結果から、中国の天然ガス資源量は47兆m3、確認資源量は22兆m3(確認可能率46.8%として試算)に上ると表明した。
価格の制約や間もなく施行される炭素税の影響で、SNGの市場競争力は天然ガスの直接採掘に比べはるかに低いものになる。韓暁平氏は、今後大量の天然ガス資源が採掘されると、多くのSNG事業は市場を失うことになるとの懸念を示した。
(毎日経済新聞 9月26日)