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【石油・天然ガス】

CNPCがロスネフチと合弁会社設立で合意 ロシア石油ガス上流開発への進出を加速 (13/10/18)
2013/10/25
中国【石油・天然ガス】

 中国企業によるロシアのエネルギー上流分野への進出が大きな進展を遂げた。中国石油天然ガス集団(CNPC)は10月18日、ロシア石油会社Rosneftとの間でMOUに調印したと発表した。両社は東シベリア及び極東地区の油ガス田を共同開発する。

 両社が調印したMOUによると、CNPCとRosneftは東シベリア及び極東地区においてスレドネ・ボツオビン油田など一群の大型油ガス田の大規模開発を進める。両社は合弁会社を設け、ロシア側の持ち株は51%、中国側は49%とする。合弁会社設立後に、東シベリア及び極東地区において埋蔵量規模の大きい油ガス田の買収と開発を共同で進める。生産した石油はロシア東部での使用に供するとともに、ロシア極東原油パイプラインと中露原油パイプラインによって中国及びその他のアジア太平洋諸国にも輸出する。

 「今回の協力は中国とロシアのエネルギー協力が上流・下流一体化に向けてプロセスが加速されていることを示すものであり、李克強首相が提示した『上流・下流一体化・リスクの共同負担・利益の共有』という原則を体現している」と中国石油大学(北京)国際石油政治研究センターのパン昌偉教授は指摘する。

 CNPCは今回の協力の対象になる投資金額や買収する油田について明らかにしていないが、専門家によると、CNPCはすでに協力鉱区を選定しており、同事業は運営からすでに1年を経ている。今回の協力は中国企業のロシア石油ガス資源上流開発分野における過去最大の成果になる。これより先、外国メディアは9月にCNPCが東シベリア天然ガス田の一部株式を少なくとも100億ドルで買収する意向であると報道したが、この情報は未だ実証されていない。

 CNPCは2006年にRosneftと合弁でボストークエナジー社を設立し、その後、イルクーツク州の2油田を12億ルーブルで買収した。また、中国石油化工(SINOPEC)はサハリン3事業ベニン鉱区の株式25.1%を有している。

 中国現代国際関係研究院ロシア研究所の王●久研究員によると、中国とロシアは原油パイプラインの輸送能力拡張で合意しているが、問題は原油供給源である。CNPCとRosneftの合弁による新たな石油ガス鉱区開発は中国への原油輸出拡大にも有利に働く。今年6月、RosneftとCNPCは2,700億ドルに上る石油供給で合意した。計画によると、2015年からパイプラインの送油能力を年間2,000万トンに増やし、さらに2017〜2037年は年間3,000万トンに増やす。つまり、現在の年間1,500万トンからさらに1,500万トン増やすことになる。
 中国企業はこれまでもずっと、ロシアの石油ガス上流資源分野への進出をより速やかに、より大規模に進めたいと考えていたが、ロシアは厳しい上流資源管理を行っており、今後のエネルギー管理においても、精製能力を拡大して原油輸出を減らすという方針である。そのため、中国企業が短期的に大規模な探査開発権益を獲得することは難しい。

 (網易財経 10月18日)

 ●…「麗」おおざとの旁(つくり)