国際エネルギー機関(IEA)は先般《風力エネルギー技術ロードマップ2013》を発表し、全世界の総発電量に占める風力発電の比率は現在の2.6％から2050年には18％に上昇すると指摘した。この予想値は2009年版ロードマップよりも6ポイント高い。これに相応する風力発電設備容量は現在の約300GWの9〜11倍になり、この長期目標を実現する場合、年間投資額は1,500億ドルに達する。
　2013年版ロードマップによると、中国は2020年かもしくは2025年には欧州を抜いて世界最大の風力発電生産国になる。その頃には米国が第3位になるだろう。2050年の風力発電による年間CO2削減量は48億トンで、現在のEUの年間排出量を上回り、中国の最も大きい貢献を果たす。

　新版ロードマップの長期目標予想値が上方修正されたのには、風力発電技術の改良や世界的なエネルギー構造の変化が背景にある。風力タービンはより高く、より堅固になって、軽量化も進み、マストとブレードのスピードの伸びは定格出力の伸びを上回っている。そのため、風力タービンは低速風力資源を捕捉してより安定した電力を生み出すことが可能になった。その結果、風力が余り強くないエリア（脊梁や海岸）においても風力タービンの設置と系統連系が促進された。

　新版ロードマップは2050年には陸上風力発電のコストが25％下がり、洋上風力発電については45％下がるとしている。

　しかしながら、当面は依然として進展を遅らせる障害も付きまとう。融資や系統連系問題、許認可問題や市民の受容度などである。電力グリッドインフラ、電力システムの機敏性や電力市場の設計といった面での改善も必要になる。欧州の一部諸国では風力発電の比率がすでに15〜30％に達している。これは風力予測の改良、電力グリッドの相互連系の増加、需要側の反応や畜エネルギーの応用になどによるものであり、新版ロードマップもこうした課題について、一連の改善措置を提示している。

　（中国科学報 11月13日）