1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

中国が1.5世代バイオ燃料の商業化を重点的に推進 (13/11/15)
2013/11/20
中国【新エネルギー】

 第2世代バイオマス燃料の技術が未だ成熟していないため、中国は1.5世代バイオ燃料の商業化を優先的に推進することになる。11月8日に北京で開かれた日中先進バイオ燃料シンポジウムで中国の方針が明らかになった。

 国家発展改革委員会エネルギー研究所の秦世平研究員は、第2世代バイオ燃料は依然研究段階に止まっており、第2世代セルロース系バイオエタノールの工業化の前の段階においては、キャッサバ、甘コーリャン等の非穀物系作物を代替原料として利用しなければならないと指摘した。すなわち、1.5世代バイオエタノールである。1.5世代バイオ燃料の研究と応用の面で中国は未だ商業化生産を行っていないものの、研究面では大きなブレークスルーを遂げている。

 一方、中国石油化学工業聯合会国際協力部のパン広廉部長によると、中国は先進的バイオ燃料技術の研究開発において大きなブレークスルーを遂げている。中国のエタノール連続発酵固体生産技術は世界をリードしており、実証プロジェクトも着実に推進中である。トウモロコシの芯を使うセルロース系エタノールの1万トン級実証工場はすでに完成し、今後の工業化のための基盤が固められている。但し、セルロース系エタノールの生産強度をいかにして高めるのかは依然として重要な課題である。上海交通大学の白鳳武教授は現在のセルロース系エタノール生産強度は石油製品に比べ2〜3クラス低いとの見方を示す。デンプン質やセルロース系原料からエタノールを抽出する技術が実行可能であることは実践によって証明されているが、経済コストが極めて高く、また川下製品の分離に要するエネルギー消費が大きく、廃水量も大きいことが商業化生産に影響している。

 秦世平研究員によると、非穀物系バイオ液体燃料の発展を加速させるため、中国は非穀物系原料基地と非穀物系バイオ液体燃料の実証プロジェクトの建設を進めている。2015年には520万ヘクタールの木質エネルギー林基地、50万ムーの甘コーリャン原料基地、800万ムーのキャッサバ系作物基地、30万ムーのその他の非穀物系エネルギー作物基地を完成させ、年産100万トンのバイオディーゼルの原料需要を賄って、年間140万トンの化石エネルギーに代替させることになる。

 (生物谷 11月15日)