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中国
【新エネルギー】

バイオマスエネルギーによる熱供給に新たな発展のチャンス (14/01/06)
2014/1/8
中国【新エネルギー】

 広州で開かれた第1回バイオマスエネルギー熱供給高層フォーラムにおいて、政府部門の関係幹部や専門家は、中国の都市化過程において直面する大気汚染という情勢の下で、バイオマスエネルギーによる熱供給を発展させることは石炭消費の代替になり、国務院の大気汚染防止行動計画を貫徹する上で重要な措置になるとの見方で一致した。また、都市のクリーン・エネルギー体系を構築し、新型都市化建設を確保する上での重要な要素にもなる。バイオマスエネルギーによる熱供給は大きな発展のチャンスを迎えるだろう。

 今回のフォーラムにおいて、専門家は長年にわたり都市のクリーンな熱供給問題が依然解決されておらず、中国の多数の県政府所在地には、人口規模や建築面積等の制約のため、大型石炭・ガス火力コージェネレーション事業を建設する条件が備わっていないと指摘し、主に分散した小型石炭火力ボイラーによる熱供給が採用されているため大気汚染が深刻化しているとした。バイオマスエネルギーによる熱供給はクリーンな熱供給を実現する有効な方途になる。バイオマスエネルギーによる熱供給にはコージェネレーションやバイオブリケットボイラーがあるが、いずれも事業規模が小さく、特に県政府省所在地の民生用集中熱供給に適している。

 専門家は、バイオマスエネルギーによる熱供給には一定の困難が伴うと指摘する。環境アセスメント標準が未だ整備されていないこと、財政・租税など支援政策の補助範囲や方式が改善を要すべきこと、バイオマス資源の種類、数量、利用可能量、潜在資源量などの面で系統的な調査と評価が乏しいこと、バイオマス原料の収集が極めて困難であり、専門的な原料の収集・輸送・貯蔵・供給のシステムが乏しく効率が低いこと、バイオマスエネルギーの利用技術と設備が初歩的な段階に止まり、バイオマスエネルギー熱供給事業の産業化レベルが依然低いこと、事業建設や管理運営の規範化が遅れていることなどが挙げられる。今回のフォーラムは、各クラスの地方政府及び関係政府部門がバイオマスエネルギーによる熱供給産業に対する支援を強化して産業発展を加速させること、バイオマス関連企業は発展のチャンスを捕え、生産部門と応用部門の分業的協力を強化してエネルギー利用効率を高めること、政府部門、関係企業、大学や研究機関が発展過程における難題解決で協力し、もってバイオマスエネルギー熱供給産業の急速かつ健全な発展を促進することなどを提言した。

 (経済日報 1月6日)