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【石炭】

低品質石炭輸入制限の是非 (14/04/17)
2014/4/21
中国【石炭】

 上海で開かれた第12回中国国際石炭大会において、専門家は石炭輸入制限の是非について年内には明確になると表明した。また、某大手電力企業の燃料調達業務の責任者はこの大会において、《石炭品質管理暫定弁法》の第3回意見募集が目下進められていることを明らかにした。この弁法は石炭品質管理を強化し、低品質の石炭、特に低品質の輸入炭を厳重に規制することを趣旨としている。

 国家能源局は昨年、商品炭の品質を高めるため、《商品炭品質管理暫定弁法》の意見募集版を起草したが、この法案は発表後直ちにに5大電力集団を筆頭とする電力企業の反対に直面した。論争はその後も続き、未だに公布できないままである。

 この弁法は輸入炭の20%を制限することになるので、石炭輸入を制限して中国の石炭市場の圧力を緩和することが目的であると見なされている。

 山東省石炭輸送販売協会の于秀忠副会長によると、所謂「輸入炭の衝撃」の主な原因は中国国内の石炭生産地と消費地のアンバランスにあり、石炭消費地区の石炭価格は相対的に高く、輸入炭が東部沿海の省に与える影響は比較的大きいが、衝撃はあくまで局部的である。中国の石炭生産能力はゆるやかに低下する傾向にあり、石炭輸入量の高止まりは長期的に続くに違いない。于秀忠副会長は、石炭輸入は中国の安定的な石炭供給にとって有効であると考えている。

 低品質石炭の輸入制限については、低品質石炭の利用技術が停滞したままであり、汚染排出を削減するには高硫黄・高灰分・低カロリーの一般炭の使用を制限するしかないという認識が背後にある。しかし、実際には低品質石炭の利用は最も活発に技術イノベーションが進んでいる分野である。この10年、石炭価格の持続的な高騰と政府の汚染排出規制の強化という二重の圧力が重なって、石炭火力発電所など石炭消費企業の技術革新にインセンティブが与えられた。石炭貿易の専門家である黄騰氏によると、ここ数年の技術改革によって、中国の低品質炭の使用はすでに世界のトップグループにあり、品位の高い石炭の減少に伴って、日本や韓国など世界の多くの国々は安価な低品質石炭の使用を研究している。黄騰氏は、中国は低品質の石炭の輸入を制限すべきではなく、むしろ輸入を奨励すべきであると考えている。

 石炭輸入の扉を閉ざしたり輸入のハードルを引き上げたりすれば、必然的に石炭需要家がより高い費用を払うことになる。そうなれば、石炭生産企業の利益は守られても、川下の企業はコストを製品に転嫁する他なく、最終的に消費者が負担を余儀なくされる。

 (中国能源網 4月17日)