発展改革委員会の《天然ガス安定供給体制確立に関する若干の意見》が国務院の同意を得て、国務院弁公庁により4月14日に示達された。主な内容は次の通りである。 中国の天然ガス供給能力は一貫して上昇しているが、消費需要の急増や脆弱な需要側管理、緊急時のピーク調整能力の不足などにより、一部地区で天然ガスの逼迫が時折発生しており、民生用ガスの保障強化が課題になっている。天然ガスの長期安定供給に向けて、次のように提言する。 【主要目標】 (1) 2020年の天然ガス供給能力を4,000億m3とし、出来れば4,200億m3を目指す。 (2) 民生用ガスの確保を図る。新型都市化発展過程における民生用ガス(生活用・学校及び学生生活用・福祉施設用等)、集中熱供給用ガス、路線バス及びタクシー用ガスなど民生用ガス需要を基本的に賄い、特に生活用ガスの安全・安定供給を確保する。 (3)「煤改気」プロジェクト(石炭焚ボイラーの天然ガス用への改修・転換)の推進をサポートする。国務院の《大気汚染防止行動計画》の要請を実施に移し、2020年には「煤改気」プロジェクトによる天然ガス需要合計1,120億m3を賄うようにする。 (4) 秩序あるガス使用の仕組みを確立する。各省・自治区・直轄市の民生用並びに「煤改気」プロジェクトのガス需要を科学的に確定し、需要側管理を強化して、ガス使用をめぐる秩序を規範的なものにする。 【保障措置】 (1) 需給を総合的に計画してその適正な調整を図る 天然ガス、特にシェールガス等の非在来型石油ガス資源の探査開発に対する政策支援を強化し、石炭ガス化実証プロジェクトの建設を秩序立って推進する。低品位・老朽ガス田の開発と天然ガス輸入に対するインセンティブを具体化する。各地区は民生の改善や環境保護等の要素を総合的に勘案して天然ガス利用方式を最適化する。天然ガスとその他のエネルギーとのバランスを統一的に図り、天然ガス生産を優先的に確保する。各種クリーン・エネルギーを利用して、多様なルート、多様なチャンネルにより、石炭からの転換を推進する。ガス源の確保を前提に「煤改気」プロジェクトの年度計画を科学的に策定、実施し、プロジェクトの乱立を防止する。 (2) 多方面から対策を講じて備蓄の増加を図る 各種市場プレイヤーがガス備蓄施設への投資、建設並びに経営に参加することを支持する。ガス備蓄施設の建設に対するインセンティブを策定する。各地区は天然ガスピーク調整施設並びにLNG受入・備蓄施設の建設を強化して、緊急備蓄能力を高め、少なくとも3日間の需要量に相当する緊急備蓄能力を形成しなければならない。 (3) 予測並びにアラームのシステムを確立し監督管理を強化する 天然ガスのモニタリングと予測並びにアラームのシステムを確立し、天然ガス供給のリスクに対する早期発見と早期処理を実現する。無秩序な「煤改気」プロジェクトの推進、特にガス発電所の無秩序な新規建設及び拡張については、通報と処置を行う。重点都市の天然ガスピーク時情報統計制度や都市ガス企業の情報システムを確立し、天然ガス需給状況を即時正確に把握する。 (4) 改革を推進し価格を合理化する 天然ガス分野の改革を着実に推進する。天然ガス探査開発体制の改革実験を進め、政策措置を策定して、天然ガスパイプライン、LNGターミナル、備蓄施設の第三者向けの公平なアクセスと開放を図る。天然ガスと代替可能エネルギーの価格関係を合理化し、天然ガスシティゲート価格調整方案を実施する。自動車用の天然ガスとガソリン・軽油との比較価格関係の合理化を急ぐ。生活用ガスの累進料金制度を確立し、非民生用ガスのシーズン別価格、中断可能契約価格等の措置も検討する。 【組織的指導の強化】 各地方政府は民生用ガス供給の確保を民生改善の重要な任務として位置付け、組織的指導を強化し、事前緊急対応策を科学的に策定し、突発事件を穏当に処理し、世論を正しく誘導して、社会の安定を維持しなければならない。国務院のエネルギー所管部門は総合的な協調を強化し、天然ガス発展計画、クリーン・エネルギー保障方案、全国天然ガス年度バランス計画などを策定して、天然ガスの年度需給バランスと日常の協調並びに監督管理対策を適正に進める。天然ガス需給ギャップについては直ちに協調を進めて、解決の方法と措置を提示する。国務院の関係部門は機能的分業に基づいて協力し、関連作業を着実かつ適正に行って実効性を確保する。 (中国政府網 4月23日)
発展改革委員会の《天然ガス安定供給体制確立に関する若干の意見》が国務院の同意を得て、国務院弁公庁により4月14日に示達された。主な内容は次の通りである。
中国の天然ガス供給能力は一貫して上昇しているが、消費需要の急増や脆弱な需要側管理、緊急時のピーク調整能力の不足などにより、一部地区で天然ガスの逼迫が時折発生しており、民生用ガスの保障強化が課題になっている。天然ガスの長期安定供給に向けて、次のように提言する。
【主要目標】
(1) 2020年の天然ガス供給能力を4,000億m3とし、出来れば4,200億m3を目指す。
(2) 民生用ガスの確保を図る。新型都市化発展過程における民生用ガス(生活用・学校及び学生生活用・福祉施設用等)、集中熱供給用ガス、路線バス及びタクシー用ガスなど民生用ガス需要を基本的に賄い、特に生活用ガスの安全・安定供給を確保する。
(3)「煤改気」プロジェクト(石炭焚ボイラーの天然ガス用への改修・転換)の推進をサポートする。国務院の《大気汚染防止行動計画》の要請を実施に移し、2020年には「煤改気」プロジェクトによる天然ガス需要合計1,120億m3を賄うようにする。
(4) 秩序あるガス使用の仕組みを確立する。各省・自治区・直轄市の民生用並びに「煤改気」プロジェクトのガス需要を科学的に確定し、需要側管理を強化して、ガス使用をめぐる秩序を規範的なものにする。
【保障措置】
(1) 需給を総合的に計画してその適正な調整を図る
天然ガス、特にシェールガス等の非在来型石油ガス資源の探査開発に対する政策支援を強化し、石炭ガス化実証プロジェクトの建設を秩序立って推進する。低品位・老朽ガス田の開発と天然ガス輸入に対するインセンティブを具体化する。各地区は民生の改善や環境保護等の要素を総合的に勘案して天然ガス利用方式を最適化する。天然ガスとその他のエネルギーとのバランスを統一的に図り、天然ガス生産を優先的に確保する。各種クリーン・エネルギーを利用して、多様なルート、多様なチャンネルにより、石炭からの転換を推進する。ガス源の確保を前提に「煤改気」プロジェクトの年度計画を科学的に策定、実施し、プロジェクトの乱立を防止する。
(2) 多方面から対策を講じて備蓄の増加を図る
各種市場プレイヤーがガス備蓄施設への投資、建設並びに経営に参加することを支持する。ガス備蓄施設の建設に対するインセンティブを策定する。各地区は天然ガスピーク調整施設並びにLNG受入・備蓄施設の建設を強化して、緊急備蓄能力を高め、少なくとも3日間の需要量に相当する緊急備蓄能力を形成しなければならない。
(3) 予測並びにアラームのシステムを確立し監督管理を強化する
天然ガスのモニタリングと予測並びにアラームのシステムを確立し、天然ガス供給のリスクに対する早期発見と早期処理を実現する。無秩序な「煤改気」プロジェクトの推進、特にガス発電所の無秩序な新規建設及び拡張については、通報と処置を行う。重点都市の天然ガスピーク時情報統計制度や都市ガス企業の情報システムを確立し、天然ガス需給状況を即時正確に把握する。
(4) 改革を推進し価格を合理化する
天然ガス分野の改革を着実に推進する。天然ガス探査開発体制の改革実験を進め、政策措置を策定して、天然ガスパイプライン、LNGターミナル、備蓄施設の第三者向けの公平なアクセスと開放を図る。天然ガスと代替可能エネルギーの価格関係を合理化し、天然ガスシティゲート価格調整方案を実施する。自動車用の天然ガスとガソリン・軽油との比較価格関係の合理化を急ぐ。生活用ガスの累進料金制度を確立し、非民生用ガスのシーズン別価格、中断可能契約価格等の措置も検討する。
【組織的指導の強化】
各地方政府は民生用ガス供給の確保を民生改善の重要な任務として位置付け、組織的指導を強化し、事前緊急対応策を科学的に策定し、突発事件を穏当に処理し、世論を正しく誘導して、社会の安定を維持しなければならない。国務院のエネルギー所管部門は総合的な協調を強化し、天然ガス発展計画、クリーン・エネルギー保障方案、全国天然ガス年度バランス計画などを策定して、天然ガスの年度需給バランスと日常の協調並びに監督管理対策を適正に進める。天然ガス需給ギャップについては直ちに協調を進めて、解決の方法と措置を提示する。国務院の関係部門は機能的分業に基づいて協力し、関連作業を着実かつ適正に行って実効性を確保する。
(中国政府網 4月23日)