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【石油・天然ガス】

フーリンのシェールガスが化学工業へ大規模応用 (14/05/06)
2014/5/16
中国【石油・天然ガス】

 中国石油化工 (SINOPEC)四川ビニロン廠からの情報によると、重慶フーリンのシェールガスが4月11日から同社の脱硫ユニット装置に送られるようになって以来、1日当たりの供給量は初めて100万m3の大台に乗り、103万m3に達した。同時に、シェールガスを原料とする化学工業製品が続々と四川ビニロン廠から出荷されている。これは、フーリンのシェールガスが工業への大規模応用を実現したことを示している。

 四川ビニロン廠はSINOPEC傘下で唯一天然ガスを原料に化学繊維を生産する企業であるが、操業開始以来、これまでずっと天然ガス供給不足のため、生産能力と規模の拡大が阻害されていた。2013年の四川ビニロン廠の天然ガス使用量は9.61億m3であったが、フル生産の場合の天然ガス需要は15.5億m3であり、不足分は5.89億m3に上っている。

 四川ビニロン廠の毎日の実際のガス使用量の中でフーリンからのシェールガス供給量の占める比率は3分の1を超えている。四川ビニロン廠の担当者によると、5月中旬か下旬には四川ビニロン廠に供給するフーリンのシェールガスを1日300万m3とし、年間供給量を10億m3にすることが計画されている。そうなれば、四川ビニロン廠のガス使用量の中でフーリンからのシェールガスが80%以上を占めることになる。そして、1年間で10億m3のシェールガスが供給されると、四川ビニロン廠の生産高は80億元増えることになる。

 今年3月末、フーリンシェールガス田は大規模商業化開発段階に入り、2015年末には50億m3、2017年には100億m3の生産能力を形成することが計画されている。重慶市政府はシェールガスの大規模開発の当初よりシェールガス応用の道筋について計画を進めている。中国初のシェールガスLNG液化施設を建設し、また、CNG(圧縮天然ガス)サービスステーションを建設して、2017年には年間9億m3超の天然ガスを消化する。さらに、工業への応用の面でも重慶市は高付加価値製品の発展を奨励し、ガス源1m3当たりの生産高を25元以上にして、現地におけるシェールガスの転化と利用を最大限にすることを打ち出している。

 今年1月、四川ビニロン廠はフーリンシェールガスの受入準備に着手し、4月11日には四川ビニロン廠のガス輸送ステーションにフーリンからシェールガスが送られるようになった。こうして、四川ビニロン廠は合計3本のガスパイプラインを開通させ、原料とするガスの供給源と供給チャンネルを多元化することで、生産装置のフル稼動の条件を整えることになった。四川ビニロン廠がシェールガスの使用を開始して1ヵ月になるが、生産装置と設備は正常に運転されており、製品は品質基準を満たしている。4月末には四川ビニロン廠はシェールガスを原料として生産した198トンの酢酸ビニル製品を初めてEUへ輸出した。

 (中化新網 5月6日)