1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中露が巨額天然ガス契約 価格は欧州並みか (14/05/22)
2014/5/23
中国【石油・天然ガス】

 10年を閲した中露天然ガス交渉がようやく妥結した。中国とロシアは5月21日、ロシアが2018年に中露天然ガスパイプライン東ルートを経由する中国へ天然ガス供給を開始し、最終的には供給量を年間380億m3とすることになった。契約期間は30年間になる。

 注目を集めていた価格については未だ公表されていないが、マーケットは、ロシアガスの中国向け価格は欧州の価格水準に近いレベルになり、中央アジアガスのように採算を取ることが出来ず、全体的に中国の天然ガスコストを押し上げると予想している。

 「エネルギーはロシア経済にとって死活的に重要だ。総輸出額の70%前後のシェアをエネルギーが占める。ウクライナ危機によってロシアの伝統的なエネルギー市場は徐々に縮小している、ロシアは新たな市場を模索して、輸出先の多元化を実現しなければならない」とアモイ大学中国エネルギー経済研究センター主任の林伯強氏は「経済参考報」の記者に指摘した。

 一方、現在スモッグ対策やエネルギー構造調整を進めている中国も天然ガスをもっと多く輸入しなければならない。国家発展改革委員会は2020年に中国の天然ガス供給能力を4,000億m3とし、出来れば4,300億m3とすることを打ち出している。380億m3は2012年の中国の天然ガス見掛け消費量の21%に相当し、また、北京市の2013年の天然ガス消費量の3倍に当たる。

 卓創資訊のエネルギー産業アナリストである王暁坤氏は「双方が今回合意したパイプラインガス価格は1m3当たり1.9〜2.4元前後になると見られる。全国の民生用ガス価格と比較すると逆さやが生じることになり、全体として中国の天然ガスコストを押し上げるに違いない」と指摘する。しかしながら、林伯強氏の見方によると、天然ガス価格改革が進むと、中国の天然ガス価格は必ず上昇することになり、輸入ガス価格との連動もよりスムーズになって、2018年にロシアガスの供給が開始される頃には、中国国内のガス価格が輸入価格よりも必ずしも低いとは限らない。

 (経済参考報 5月22日)