石炭業界は氷河期に陥って抜け出すことが出来ず、赤字がますます深刻化し、多数の中小炭鉱は生産停止に追い込まれた。マクロ経済成長の動向から見て、経済の下振れ圧力は依然として大きく、石炭産業が短期間で苦境から脱する確率は低い。

　統計によると、第1四半期も石炭生産販売量は引き続き低下し、企業収益は大幅に下がって総額323.2億元に止まり、前年同期比で41.2％減、2012年同期と比べると65％減になった。また、大手石炭企業の中で赤字企業の比率は44.4％に上昇し、石炭企業の経営はますます困難になっている。また、第1四半期の全国の石炭消費量は約9.4億トン、前年同期比0.9％の微増に止まった。石炭在庫は依然高止まりしており、28ヵ月連続で月間3億トン前後を推移している。

　巨大な生産能力過剰と需要の不振のため、石炭価格は持続的に下落している。4月25日の中国石炭価格指数は150.1ポイント、前年同期比17.3ポイント、年初に比べ11.7ポイント下がった。3月末の秦皇島5500キロカロリー一般炭価格は525元./トン、年初に比べ105元下がり、2013年の通年の平均価格に比べると65元下がった。一方、輸送費や財務コストは逆に増加しており、産業は巨大な資金圧力に直面している。昨年操業を停止してから未だ再開していない中小企業は極めて多く、淘汰の臨界点に達している。多くの地方政府は行政の力を運用して石炭企業の救済を試みているが、効果は不透明である。一部の地方政府は税・費用の減免や石炭販売の促進といった支援策を講じており、電力企業に対して地元の石炭を購入するよう求めるケースもあるが、こうした救済措置は、症状を和らげることは出来ても根本的な治癒にはならず、全国の石炭市場の過剰局面を根本から改めることは難しい。中長期的には産業配置の調整に力を入れて、産業全体の転換とグレードアップを促進すべきだろう。

　2014年も世界の石炭市況は供給過剰傾向を呈することになり、国際石炭価格は引き続き低迷すると予想される。石炭産業の黄金時代はすでに過ぎ去った。2014年の石炭市場価格の下落状況は予想よりも厳しいものになり、上半期の石炭需要の伸び率はさらに低下すると予想される。全国の石炭市場総量の軟調や構造的な過剰傾向に根本的な変化が生じることはあり得ない。石炭企業の経営は一層困難になるだろう。

　（新浪財経 6月3日）