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【石油・天然ガス】

中国が石油化学産業計画を策定へ (14/0605)
2014/6/12
中国【石油・天然ガス】

 6月4日、李克強首相は国務院常務会議を召集し、石油化学産業の科学的配置と安全・環境保護・集約型発展を部署するともに、石油化学産業の今後の「グリーン・安全・高効率」発展方向を基本方針として定めた。発展改革委員会産業協調司の関係者は先日の石油化学産業発展大会において、《石油化学産業計画配置方案》の準備が進められており、適当な時機に公布されることを明らかにしていたが、最新情報によると、同方案は早ければ今月中に公布される。同方案はチレン、芳香族炭化水素化合物(PX)を対象とする。

 同方案の策定に参加している関係者が明らかにしたところによると、今後の発展の重点については東部と西部で異なり、東部は石油化学工業を主とし、西部は石炭化学工業を主として、新型石炭化学工業が半分を占める見通しである。

 また、同方案は石炭化学工業への支援を明確にし、コール・トゥ・オレフィン(CTO)やPX等の現代的石炭化学工業の高度化実証を引き続き推進することになり、特に西部地区が主要な開発拠点になる。

 2012年に公布された石炭化学工業第12次5ヵ年規画は全国を東部(東北も含む)、中部、西部の3つの地区に分けて、全国の石炭開発の全体的部署として、「東部抑制・中部安定・西部発展」の方針を打ち出したが、この点からも石炭化学工業が発展する可能性は西部の方がより高いことが伺える。

 卓創資訊の崔科増副社長は取材に対し「西部地区の12の省の中で8つの省が石炭化学工業を重点支援事業としている。このようなことは東部や西部のエネルギー化学工業の構造では余り見られない」と述べた。

 石炭化学工業のコスト面の優位は顕著である。ここ数年、石油と石炭の価格差はますます大きくなっている。特に2012年以降、石炭価格は急落し、現在トン当たり400元前後にまで下がっている。「このような価格上の優位によって石炭化学工業には未曽有の発展のチャンスがもたらされている」と崔科増氏は言う。

 また、安迅思研究戦略センターの李莉則総監は、石炭によって生産するオレフィンやエタノール製品は石油系製品の品質にますます近づいており、コスト面の優位によって将来は中部や東部のもっと多くの地域も受け入れるようになると指摘する。

 今回の方案は、製油、エチレン、PXの3大石油化学製品を対象としている。昨年、市民の「PX抗議事件」が頻発して関心の焦点になったが、アモイ大学中国エネルギー研究センターの林伯強主任は「(PX)を絶対に発展させないわけにはいかない。中国は先端化学製品を海外に高度に依存している。PXも想像されるような怖いものではない。だから、『合理的な配置』によってパニックを取り除くことが極めて重要だ」と指摘した。

 2013年の中国のエチレンの対外依存度は51.5%、PXの対外依存度は53%に上り、しかも上昇傾向を示している。環境保護の理念の広がりに伴い、市民はますます環境を重視するようになった。今回の方案はこうしたことを背景に誕生した。李首相は国務院常務会議において「情報の公開・市民の知る権利の保障」に初めて言及した。「今後、同種のPX事業の環境アセスメントは必ず通過しなければならない関門になる。環境アセスメントや公聴会等のプロセスを保障した上で、新規事業が次々と許認可されることになろう」と林伯強主任は言う。

 (新華網 6月5日)