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【原子力】

中央財経指導小組がエネルギーセキュリティ戦略を検討 東部の新規原子力発電事業を再開へ (14/06/16)
2014/6/16
中国【原子力】

 「国際的にも最高の安全基準を採用し、安全確保を前提に東部沿海地区において新規原子力発電事業の建設再開に取り組む」。6月13日、中央財経指導小組の組長も兼ねる習近平国家主席は中央財政指導小組第6回会議を主宰し、中国のエネルギーセキュリティ戦略について検討した。

 習近平はエネルギーの生産と消費革命の推進について、5項目の要求を打ち出した。エネルギー消費革命の推進、不合理なエネルギー消費の抑制、エネルギー供給革命の推進、多元的な供給システムの確立などである。一方、呉新雄国家能源局長は先日、局長事務会議を開き、《エネルギーセキュリティ戦略》の策定、《エネルギー産業の大気汚染防止対策方案》の実施など重点的に取り組むべき対策を部署するとともに、対外送電の増加、天然ガス供給の確保、原子力発電と再生可能エネルギーの開発、「国5」規格の石油製品の早期供給など、5つの面で127件の重要事業を実施に移すことにした。

 今年4月末に開かれた新期国家能源委員会第1回会議において、主に2つの核心的なテーマ、すなわち原子力発電と特高圧(UHV)をめぐって、エネルギー発展における戦略と重要事項を討議した。同会議は、原子力発電事業の着工は東部沿海地区のみに止め、内陸原子力発電所については第12次5ヵ年規画期中は部署しないとの基本方針を確定した。今回の中央財政指導小組も同様に、東部沿海地区における原子力発電事業の再開を表明したに止まった。

 李克強首相は能源委員会会議において、一群の重要事業に着工しなければならないとしつつ、「国際的にも最高の安全基準を採用し安全確保を前提に、東部沿海地区において新規原子力発電事業の建設を適当な時機に再開させる」と述べていた。

 中国のエネルギーは大きな発展を遂げたが、エネルギー需要の圧力という大きな問題にも直面している。東部地区のエネルギー需要は旺盛であり、石炭等の伝統的エネルギーから天然ガス等の新しいエネルギーへの転換が進んでいる。同時に今こそが原子力発電開発の最良の時機になる。中国の原子力発電所の大部分は東部沿海地区に立地しており、そのため原子力発電所の建設に当たっては水源問題を心配する必要はない。原子力発電所の発電過程で大量のエネルギーを熱エネルギーの形で放出するには十分な冷却水が必要であり、この点については安全の見地からさらに考慮しなければならない。

 (毎日経済新聞 6月16日)