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【エネルギー全般・政治経済】

電力使用量統計が経済の下振れ圧力を裏付け 政策緩和の予想強まる (14/08/15)
2014/8/18
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家能源局が8月14日に発表した統計によると、7月期の全社会電力使用量(第1次・第2次・第3次産業及び民生用電力使用量の合計)は前年同月比3%増になったが、伸び率は6月期に比べ2.9ポイント下がった。

 固定資産投資など7月期のマクロ経済統計と組み合わせて見ると、当面のマクロ経済の下振れ圧力は比較的大きく、財政と貨幣政策にはさらなる緩和の余地があると専門家は見ている。

 マクロ経済統計の中で電力使用量は実体経済と最も密接な指標の一つである。7月期の全社会電力使用量は3%の増加になったが、伸び率は前の月を2.9ポイント下回った。1〜7月の全社会電力使用量は前年同期比4.9%増になり、前期比0.4ポイント下がった。

 産業別では、第一次産業の電力使用量が557億kWh、前年同期比2.1%減、第二次産業が2億3,094万kWh、前年同期比4.7%増、第三次産業は3,754億kWh、前年同期比6.5%増、都市農村民生用が3,968億kWh、前年同期比5.7%増になった。

 華東電網の揚宗麟高級工程師によると、昨年7〜8月は異常高温であったが、今年は各地の降水量が多く、空調の負荷が大幅に減ったことが、7月期の電力使用の伸び率低下につながった。

 「単月の統計では問題を十分に説明しきれないが、今年以降の統計を見る限り、電力使用量の伸び率とGDP成長率との差は一貫して大きく、経済の下振れ圧力が比較的大きいことを示している」とアモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は言う。昨年の中国のGDP成長率は7.7%、電力使用量の伸び率は7.5%で概ね1:1の関係にあるが、今年の電力使用量の伸び率は最も高かった6月でも5.9%に過ぎなかった。

 中国物流調達聯合会の蔡進副会長は、電力使用量とGDPの間に差異が存在するのは、一定程度は経済パターンの転換に起因するとの見方を示し、「7月期の粗鋼生産量の前年同月比の伸び率は2%に届かなかったことから重化学工業の全体的な不景気が見て取れるが、これは中国の経済構造調整において払わなければならない代償の一つだ」とした。

 (新華網 8月15日)