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中国
【石油・天然ガス】

ロスネフチが中国に大型油田への資本参加を招請 中国企業の露エネルギー上流開発が初めて実現か (14/09/02)
2014/9/3
中国【石油・天然ガス】

 英《フィナンシャルタイムズ》の報道によると、ロシア石油大手Rosneftは中国に対し、Rosneft傘下のバンコール(Vankor)油田に資本参加することを提案した。バンコールはRosneft傘下の陸上石油生産子会社として第3位。《フィナンシャルタイムズ》によると、中国側が同油田への資本参加に成功すれば、中国企業にとってロシア石油上流分野への初参入になる。ウクライナ危機によりロシアと欧州の今後の関係に暗雲が漂う中、今回の取引はロシアと中国のエネルギー関係を強めるものになるだろう。

 9月1日に中露天然ガスパイプライン東ルートのロシア国内区間に当たる「シベリアの力」が着工され、その起工式典において、プーチン大統領は張高麗副首相に対し、「Rosneftのセーチン社長は中国側がロシア北部にある最大規模の油田の株主になることを提案している。ロシアは通常の場合、外国の協力パートナーに対して権利を与えることには非常に慎重であるが、ロシアの友人の中国に対しては当然ながら何ら制限を設けない」と表明した。

 中国は長年にわたってロシアエネルギー産業の上流分野への参入を求め、ロシアの輸出用パイプラインへの出資を交換条件としたが、ロシア政府はこれまで陸上石油ガス鉱床の株式を外国企業に与えようとはしなかった。

 現在、欧州との関係が悪化しているロシアは戦略の重点をアジアにシフトすることを検討しており、積極的に中国との貿易及び投資関係を深めようとしている。

 ウクライナ衝突を端緒とする新たな対露制裁によってエネルギー設備のロシアへの輸出が制限され、数百億ドルの投資計画に変数が生じている。米国は7月にRosneftを制裁対象リストに入れた。

 プーチン大統領との会談で張高麗副首相は中露エネルギー協力に対する期待を表明し、石油、天然ガス、原子力、石炭、電力、新エネルギーなど中露エネルギー協力を発展させ、天然ガスパイプラインの東ルートと西ルートを並行して進め、上流と下流を協調的に推進しなければならないと述べた。

 (東方早報 9月2日)