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【電力】

一部発電機の運転停止により華電集団の損失が拡大 原因は石炭不足 (08/01/10)
2008/1/11
中国【電力】

 華電集団の貴州、四川、雲南等の一部発電ユニットが運転停止を余儀なくされ、華電集団には大きな損失が発生している。原因は石炭供給の不足と輸送力の逼迫。

 貴州、四川、雲南等の地区では石炭が不足している。華電集団研究課の白学費課長は、「昨年、一昨年とも同じように運転停止が発生したが、今年はさらに厳しくなる」と語る。30万kWの発電ユニットがフルに運転すれば1時間当たりの発電量は30万kWh、現在の市場価格は1kWhにつき0.3元、コストが約0.2元であるので、30万kWユニットが1日運転を停止すれば、70万元余りの損失になる。

 その上、発電用石炭価格が昨年10%近く上昇したため、毎年1.2億トンの石炭を消費する華電集団の収益は約50億元減少した。華電集団発展計画部主任・楊家鵬は、「今年は赤字にならなければ上出来だ」と苦衷を明かす。

 華電の昨年の利益は4、50億元であったが、四川、福建、湖南など傘下の発電所11件が赤字になった。発電用石炭価格の上昇が収益に大きく影響したが、小型火力発電の閉鎖による影響も大きい。楊家鵬主任によると、昨年、華電集団は10万kW以下の小型火力発電所をすべて閉鎖した。30ヶ所余りの発電所のユニットを合計700万kW余り閉鎖したことになり、概算で30億元超の損失となった。

 華電集団は自社の石炭資源を保有しておらず、ほとんどの石炭は石炭企業から供給されている。楊家鵬主任は、華電集団は石炭の自社生産量を50%とすることが目標であると語る。

 華電集団は昨年、2,300万トンの生産量を有する炭鉱に資本参加したが、これら炭鉱は内蒙古、山西や新疆にあり、華電集団の中核発電所からは遠い。楊家鵬主任によると、華電集団は上流分野に参入するのが遅かった。

 華電集団とは対照的に、大唐発電集団は2010年までに自社の石炭生産量を3,000万トンに拡大するよう計画している。そうすれば他の企業から石炭を購入するコストを引き下げることが出来る。大唐発電集団は2004年に同煤集団等の企業と提携し、28億元を投じて山西省塔山炭鉱の共同開発を進め、2005年には開ラン集団と共同で河北蔚州能源総合開発有限公司を設立し、石炭・電力一体化プロジェクトの建設を進めている。このプロジェクトが完成すると、所属炭鉱の石炭年産量は1,000万トン超になる。大唐集団の石炭年産3,000万トンの目標は問題なく達成できるだろう。

 大唐集団の石炭資源は華電集団にとって羨望の的であるが、しかし、華電集団が炭鉱の自社開発をしようとするなら、政府に申請して炭鉱採掘権を取得する必要がある。

 (第一財経日報 1月10日)