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【エネルギー発展戦略行動計画】8ヵ所の大型天然ガス生産基地を建設へ 各基地の年産量100億m3 (14/11/20)
2014/11/27
中国【石油・天然ガス】

 低炭素戦略は中国のエネルギー発展戦略の重要な一環であり、天然ガス消費の比率を引き上げることはエネルギー構造最適化の主要な道筋になる。11月19日に公布された《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》は第13次5ヵ年規画期末に一次エネルギー消費に占める天然ガスの比率を10%以上に高め、在来型天然ガス年産量を1,850億m3にするとしている。同時にシェールガスと炭層ガスの2種類の非在来型ガスを速やかに発展させることが全産業チェーンにおける打開の重点になると見られる。

 上流の面では、年産100億m3以上の大型天然ガス生産基地を8ヵ所建設することを目指すことになる。2020年には在来型天然ガス新規確認原始埋蔵量を5.5兆m3とし、在来型天然ガス年産量を1,850億m3にする。中国の2013年の在来型天然ガス生産量は1,178億m3であり、年産1,850億m3の目標を達成するために上流の生産を加速させることになる。ICISエネルギー研究センターの李莉総監によると、生産基地の大規模化は今後の流れであり、スケールメリットによって操業コストを引き下げることが可能になり、上流の生産に寄与する。

 隆衆石化網のアナリストの王皓浩氏の見方では、天然ガス発電はこの2年、天然ガス価格引き上げの影響で順調に進展していない。政策支援や限定的な補助金はあるが、企業の実際の操業コストを補填することは出来ず、収益は徐々に消失し産業発展に影響している。そのため、今回の行動計画は「適度に天然ガス発電を発展させる」ことを打ち出した。

 李莉総監によると、非在来型ガスの開発は相対的に進捗が遅く、そのため政策レベルでスピードアップが求められる。今回公布された行動計画では、シェールガス等の非在来型ガスの発展についても明確に規定されている。

 卓創資訊のアナリスト王暁坤氏は、価格を重視しなければならず、在来型であれ、非在来型であれ、天然ガス消費の拡大はその経済性に立脚しなければならないとの見方を示す。王暁坤氏によると、下流における天然ガスの拡大は高い価格によって制約されており、伸びが鈍い。「工業分野では製紙や金属精錬等の製造業が低迷し価格に敏感であるため、価格が徐々に上昇している天然ガスは吸引力が弱まっている。発電分野では天然ガス発電はコストが石炭火力発電のおよそ3倍になるので、歩みは遅い」。

 「もし天然ガス価格が相対的経済性を維持すれば、下流の市場開拓も順調に進む。天然ガスの需要は今後も堅調を維持する。非在来型ガスを発展させるには、もっと経済性に注意して企業が開発を進めるよう促進しなければならない」と王暁坤氏は言う。

 (毎日経済新聞 11月20日)