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【エネルギー発展戦略行動計画】2020年のシェールガス生産目標は300億m3「以上」(14/11/20)
2014/11/27
中国【石油・天然ガス】

 11月19日、中国政府網は《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》の全文を発表した。第13次5ヵ年規画が公布されるまでの「空白期」において、この行動計画は第13次5ヵ年規画と同様の役割を果たすことになろう。政府筋はこれまで2020年のシェールガス生産量の目標を300億m3としていたが、今回発表された行動計画でもこの目標値が確認された。

 今回の行動計画はシェールガスに関して、シェールガスの地質調査を強化すること、「工場化」「プラント化」の技術研究開発と応用を加速すること、先進的なシェールガス探査開発の技術モデルとビジネスモデルを形成すること、独自イノベーション能力と装備製造能力を育成することを掲げている。また、四川省長寧−威遠、重慶市フーリン、雲南省昭通、陝西省延安等の国家級実証区の確認埋蔵量と生産量の規模を拡大するとともに、湘鄂(湖南・湖北)、雲貴(雲南・貴州)及び蘇皖(江蘇・安徽)等の地区でも打開を図る。2020年にはシェールガス生産量300億m3以上を目指す。

 300億m3の目標が初めて打ち出された当初、世論は騒然とした。なぜなら《シェールガス発展規画(2011〜2015年)》では2020年の長期目標として「2020年の生産量600〜1,000億m3を目指す」としていたからである。300億m3という目標は従来の2020年目標が腰砕けになったことを示すものである。

 国土資源部は今年9月17日、プレス発表会において「2020年の全国シェールガス生産量は300億m3を超えるだろう。もし措置が妥当であれば、400〜600億m3も期待できる」としていた。今回の行動計画では「2020年にはシェールガス生産量300億m3以上を目指す」と表現されているが、「以上」の二文字は非常に巧妙である。なぜなら、「以上」の幅は極めて小さい可能性もあれば、極めて大きい可能性もあるからである。中国政府網は行動計画の全文の発表に当たり、削除や変更の可能性があることを特記している。「以上」という表現が今後変更されるかどうかは未知数である。

 現在、中国のシェールガス開発は「大規模化開発の初期段階に進み始めている」。今後の発展動向がどう変化するかについては余りにも変数が多い。強気の目標であれ、控えめな目標であれ、現段階では確証は不可能だろう。もっとも控えめ過ぎる目標は産業の発展にとって必ずしも良いことではない。

 (中国産業競争情報網 11月20日)