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【エネルギー全般・政治経済】

中国のエネルギー消費の伸び率が3%以下に低下も 一部エネルギーで過剰始まる 周大地氏 (14/11/28)
2014/12/1
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家能源局は2020年のエネルギー消費総量を48億tce(標準炭換算トン)に抑制する目標を公にしたが、エネルギーの大家である周大地氏はABB電力世界フォーラムにおいて、この目標はわりと控えめであり、中国のエネルギー消費の伸び率にはすでに目立った低下が生じており、将来は3%以下に下がる可能性もあると表明した。周大地氏は国家発展改革委員会エネルギー研究所の元所長であり中国エネルギー研究会の常務副理事長である。

 国家能源局は《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》を公布し、2020年に一次エネルギー消費総量を約48億tceに、石炭消費総量を約42億トンに抑制し、エネルギー自給能力を85%前後に維持することを打ち出していた。また、一次エネルギーに占める非化石エネルギーの比率を15%に、天然ガスの比率を10%以上とし、石炭消費の比率は62%以下に抑えるとした。

 周大地氏によると、中国経済は高度の調整期に入り、エネルギー需要の伸び率は顕著に鈍化する。但し、専門家の間でエネルギー消費総量の予測をめぐっては最大10億tceの差があり、将来の消費の伸び率については不確実性が高まっている。実際、中国のエネルギー消費の伸び率は近年目立った低下傾向を示しており、過去10年余りにわたって8%前後の伸び率を維持してきたが、ここ2年は3.9%に下がり、将来は3%以下に下がる可能性すらある。

 こうした中、中国の一部のエネルギーの過剰がますます顕著になりつつある。周大地氏の指摘によると、エネルギー分野の投資額は依然増加を続けており、2013年は3兆1,800億元に達したが、実際には中国の火力発電の供給はすでに充足しており、発電利用時間数に低下が生じていることが見て取れる。また、石炭は過剰の典型であり、生産能力は50億トンに達し、深刻な過剰を来している。製油能力はすでに7.1億トンに達しているが、実際の原油処理量は4.84億トンに止まり、製油所の平均稼働率は83%に下がっている。

 (網易財経 11月28日)