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中国
【エネルギー全般・政治経済】

2015年には石炭消費の比率が63.3%に低下 (14/12/30)
2015/1/8
中国【エネルギー全般・政治経済】

 全国エネルギー工作会議が12月25〜26日に北京で開かれた。同会議は2014年の中国の一次エネルギーに占める石炭の比率が64.2%に下がり、非化石エネルギーの比率が11.1%に下がるとの予想を示すとともに、2015年には石炭消費の比率が63.3%に下がるとの見通しを示した。

 2013年1月に公布された《エネルギー発展第12次5ヵ年規画》は、2015年に非化石エネルギーの比率を11.4%に高め、石炭消費の比率を65%前後に引き下げることを打ち出していたが、石炭消費比率の引き下げ目標は前倒しで実現する見込みである。
 近年、中国の石炭消費の比率は年々低下傾向を示しており、2011年は68.8%、2012年は66.6%、2013年は65.7%になった。

 2014年11月に公布された《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》は、非化石エネルギーの発展と化石エネルギーの高効率でクリーンな利用を並行して進めて、石炭消費の比率を徐々に引き下げることを明確に打ち出している。2020年には非化石エネルギー消費の比率を15%に高め、石炭消費の比率を62%以内に抑制することになる。

 中国は2014年にクリーン・エネルギーの速やかな発展を進めて、エネルギー構造をより一層最適化した。水力発電の新規設備容量は約2,000万kW、総設備容量は約3億kWになり、第12次5ヵ年規画期の目標を1年早く達成した。新規稼動した原子力発電設備は5基、全国の稼動中の原子力発電設備は22基になり、総設備容量は2,010万kWに上る。風力発電の系統連系設備は9,000万kWを超え、年間発電量は1,500億kWhに達している。シェールガス、炭層ガスや深海石油ガス探査開発も大きな進展を遂げ、シェールガス生産量は12億m3、炭層ガスは採収量171億m3、利用量75億m3に達した。

 中国は2014年にエネルギー分野の大気汚染防止プロジェクトを実施し、北京・天津・河北、長江デルタ、珠江デルタなど重点防止規制区域の新規石炭消費事業を厳重に規制した。また、《石炭火力発電省エネ・排出削減・グレードアップ改修行動計画(2014〜2020年)》を公布し、石炭のクリーンで効率的な利用を推進した。

 2015年においては、石炭や装備製造など専門プロジェクトの計画立案に重点的に取り組み、石炭火力発電の省エネ・排出削減・グレードアップに向けた改修を引き続き推進して、石炭のクリーンで効率的な利用の水準向上に力を入れる。また、石炭液化やSNG(石炭ガス化)の実証事業の建設にも取り組む。

 (中国産業研究網 12月30日)