石炭貿易業者によると、中国の厳重な大気汚染規制措置や北朝鮮国内のエネルギー不足のため、北朝鮮から中国への石炭輸出が急激に減少している。

　北朝鮮の石炭輸出は月平均120万トン、昨年の輸出収入は10億ドルに達したと見られる。

　しかし、2015年時点で中朝間の石炭貿易活動は極めて乏しい。これは中国の公布した新基準に北朝鮮の石炭が適合していないためである。

　10年余りにわたって北朝鮮からの石炭輸入を手掛けてきた貿易業者は「中国政府が輸入炭の硫黄含有量を規定したため、それ以降現在に到るまで北朝鮮の石炭は1トンも中国に輸入されていない」と言う。

　輸入炭の硫黄分を制限することは、大都市の大気汚染対策と地球温暖化対策の一環である。

　一方、北朝鮮平安北道の消息筋は「硫黄含有量の新規定は知ったことではない。規定がどうであれ、エネルギー不足のため北朝鮮には輸出出来る石炭がないというのが実状だ。中国の法規は最早関係ない」としている。同消息筋は「昨年は旱害が発生したため、北朝鮮の水力発電所は全て運転を停止している」「産出した石炭は全て火力発電所に運んでいる」とも述べた。

　朝鮮国際貿易協会の2013年のレポートによると、北朝鮮が中国へ輸出する商品の70％は鉱産物である。

　（中国煤炭市場網 1月20日）