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中国
【エネルギー全般・政治経済】

2015年も石炭輸入量の低下が続く公算 (15/01/21)
2015/1/28
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国税関統計によると、中国の2014年の石炭輸入は2.9億トン、前年比10.9%減になり、石炭価格も前年比15.2%下落した。2014年の中国の石炭輸出入市場には主として次のいくつかの特徴があった。

 (1) 石炭輸入を制限し、石炭輸出を奨励した。《商品炭品質管理暫定弁法》が2014年9月3日に公布され、2015年1月1日より施行された。2014年10月15日、中国は無煙炭、原料炭、その他の瀝青炭等の燃料の0%の暫定輸入関税率を撤廃した。一方、2014年12月16日には《2015年関税実施方案》を公布して、2015年1月1日より石炭輸出関税の税率を10%から3%に引き下げることにした。

 (2) 輸入炭は依然価格優位が続いた。中国は2014年10月に石炭輸入関税を大幅に引き上げたが、輸入炭は国内炭に比べると依然一定の価格優位を維持した。2014年12月末の5500キロカロリー豪州炭の華南沿海部でのCIF価格はトン497元で国産炭のCIF価格に比べ41元安く、4500キロカロリーのインドネシア炭のCIF価格はトン388元で国産炭を38元下回った。

 (3) 褐炭の輸入量が増加した。2014年以降、税関総署は褐炭の輸入関税を引き上げ、品質管理も強化して、一部の褐炭輸入にはその影響が出たものの、2014年1〜11月の中国の褐炭輸入量は合計5,806万トン、石炭輸入総量に占める比率は2013年に比べ4ポイント高い22%になった。

 2015年は中国の経済構造の転換が速やかに進み、エネルギー構造にも重大な転換が生じて、一次エネルギーに占める石炭の比率は引き続き低下し、石炭需要の伸び率も下がる。同時に《商品炭品質管理暫定弁法》等の関連政策措置が実施され、中国の石炭輸入は引き続き低下する見通しである。2015年の中国の石炭輸入量は2.7億トンにまで下がり、一方、石炭輸出量は600万トン前後を維持すると予想される。

 (中国煤炭報 1月21日)