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中国
【石炭】

2014年の石炭消費量が前年比2.9%減少 (15/02/27)
2015/3/4
中国【石炭】

 2月26日に国家統計局が発表した《2014年国民経済社会発展統計公報》によると、2014年の全国原炭生産量は38.7億トン、前年比2.5%減になった。石炭生産量が前年比マイナスになったのは統計局が年度統計の発表を開始した1998年以来初めてになる。1998年の石炭生産量は12.5億トンであったが、その後年々増加していた。

 中国煤炭工業協会が発表した2014年第1〜第3四半期の統計において中国の石炭消費量が初めてマイナスになったことがエネルギー業界や環境保護産業から注目を集め、中国の石炭需要ピークが予想よりも早く到来するかどうかについて活発な議論が湧き起った。中国能源研究会など業界機関がこれまで発表していた関連研究から、中国の石炭需要のピークは2020年に到来し、ピーク値は41〜47億トンと予想されていた。

 2014年の石炭需要減少の主な理由について、中国煤炭工業協会は、主要石炭消費産業における石炭消費量の低下、エネルギー構造の最適化、エネルギー消費強度の低下の3つの側面を挙げている。

 2014年には中国経済の成長が鈍化し、主要石炭消費産業の製品生産量の伸び率が下がった。特に電力は3.4%減、鉄鋼は1.4%減、建材は1.1%減になった。一方、科学技術の進歩や大気環境管理の強化に伴い、全国の単位GDP当たりのエネルギー消費は2013年には3.7%下がっていたが、2014年にはさらに4.8%下がった。

 環境保護組織のグリーン・ピースの資料によると、石炭消費の伸び率は2012年以降顕著な低下を示しており、2007〜2011年の平均伸び率の6.1%から2012〜2014年は1%足らずになった。一方、同時期のGDP成長率は10.6%から7.8%に下がった。中国が2014年のGDP成長率7.4%を達成した一方で、石炭消費量がマイナスになったことは中国の経済成長と石炭消費の増加とがますます乖離するようになったことを示している。グリーン・ピース持続可能金融主任の方元氏はこの点について、「中国が石炭に対する過度の依存から脱却してエネルギー構造の最適化を実現する願いも最早荒唐無稽ではないことを示している。政策目標を達成しさえすれば、中国は石炭消費ピークを2020年以前に早めることも可能だ」と言う。

 また、方元氏は次のように指摘した。《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》が打ち出した42億トンの石炭消費の上限値は、2013年の石炭消費量からしれば毎年2.2%の増加率になるが、ここ3年の石炭消費の年平均増加率は1%足らずであり、中国政府は42億トンの石炭消費抑制目標を見直して、第13次5ヵ年規画にはもっと野心的な目標を提示する必要がある。こうした目標を掲げることで石炭消費の抑制と環境の改善をより強力に推進することになる。

 
 (毎日経済新聞 2月27日)