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【石炭】

石炭需給総量の鈍化が「新常態」に (15/02/27)
2015/3/4
中国【石炭】

 今年以降、中国の石炭産業は、需要の鈍化、生産能力過剰や輸入増加の多重の圧力に直面し深刻な困難に陥っている。石炭市場の供給過剰はますます突出し、需給情勢の逆転に伴い石炭価格も下がっている。12月22日に開催された2015年度石炭交易大会石炭市場高層フォーラムにおいて、2015年の石炭市場の動向は楽観できず、石炭需給総量の鈍化が「新常態(ニューノーマル)」になるとの見方が示された。

 長年マクロ経済動向や経済発展戦略の研究を手掛けてきた国務院発展研究センターマクロ経済研究部の張立群研究員は次のような見方を示した。経済成長を牽引する三頭立て馬車である輸出、投資、消費のうち、投資分野については、不動産投資が低下傾向を示し、一方、消費分野は安定を維持している。輸出の伸び率は年々低下し、2015年の伸び率は7%前後に止まると予想される。こうした点から判断すると、2015年の中国の経済成長率は7%をやや上回る程度になる。今後、第13次5ヵ年規画期は中国経済の転換と高度化が「新常態」に適応する上で重要な時期になり、こうした変化がいずれも石炭の生産と販売に影響を及ぼす。

 一方、北京工商大学証券先物研究所の胡兪越所長は次のように見ている。大口商品はすでに買手市場になり、中国経済の青春期は終了して、経済の質的向上を重視する青壮年期に入った。石炭経済の動向は楽観を許さず、脱生産能力化、脱在庫化の圧力に直面している。

 石炭取引センターの曲剣牛主任は次のように述べた。「新常態」の下で中国の経済成長は鈍化し、経済成長に対する投資と輸出の牽引力は弱まる。今後3〜5年、中国経済は減速するが、サービスと消費が安定した成長を牽引することになる。石炭市場は高い在庫と低い成長という局面に陥る。また、国が環境保護を強化しているため、石炭消費は一定程度抑制され、石炭需給の鈍化は「新常態」になる。但し、今後相当長期間にわたっても石炭の主体エネルギーとしての地位は不変であり、石炭市場は鈍化と安定化が依然大きな流れであり続ける。

 (山西商報 2月27日)