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中国
【原子力】

原子力発電開発の内陸部へのシフトは必然の流れ (15/03/18)
2015/3/18
中国【原子力】

 中国の原子力発電事業は2年ぶりに再開されたが、なお沿海部のみに限られている。沿海部の原子力発電開発の余地は縮小しつつあり、原子力発電開発の重心が沿海部から内陸部に移ることは必然の流れになる。

 「2030年に一次エネルギーの中で非化石エネルギーの比率を20%にする」という中国政府の対外公約を実現するためにはクリーン・エネルギーの発展に力を入れることが必要になるが、風力発電、水力発電、ソーラー発電、バイオマス発電の当面の発展スピードから見て、目標との隔たりは依然大きく、その隔たりを埋めるには原子力発電こそが唯一の選択肢になる。

 発展改革委員会能源研究所の予測によると、中国の2030年の一次エネルギー総消費量は60億tce(標準炭換算トン)に達するが、その中で非化石エネルギーが20%を占めるようにするには、その供給量をおよそ12億tceにしなければならない。

 各種非化石エネルギーの最大ポテンシャルなどから見て、2030年の開発規模は、風力発電5億kW、水力発電4億kW、ソーラー発電3億kW、バイオマス発電0.2億kWになり、標準炭に換算すると、風力発電2.9億tce、水力発電4.2億tce、ソーラー発電1.2億tce、バイオマス発電0.4億tceになると予想される。2030年の非化石エネルギー比率の目標20%を達成するためには、残りの3.3億tceの不足分を原子力発電によって補完しなければならず、所要の原子力発電設備容量は1.5〜2億kWに上る。

 原子力発電開発の必要性は明確であるが、その目標をどのように達成するかが争点になる。2月に遼寧省紅河原子力発電所5・6号機の建造が承認され、国家レベルにおける原子力発電に対する姿勢が明確になったが、内陸部の原子力発電事業については未だ動きがない。

 「中国の国土面積の大部分は内陸だ。沿海地区の経済発展スピードの低下、発展モデルの転換、原子力発電所の用地枯渇など、沿海部の原子力発電開発の余地は日増しに縮小している。原子力発電開発の重心が沿海部から内陸部に移ることは必然の流れになる」と、全国政治協商会議委員であり湖南省政治協商会議主席である陳求友氏は表明する。

 中国の原子力発電の運転水準は世界先進水準に達しており、内陸の大規模開発を支えることが出来る。

 (中国核電信息網 3月18日)