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【新エネルギー】

中国航天科工のミサイル空力学技術が風力発電に応用 (15/03/19)
2015/3/26
中国【新エネルギー】

 中国航天科工集団への取材から、中国航天科工集団公司第2研究院第2部と中国国電集団所属の中能電力科技開発有限公司が「流体力学数値技術に基づく風力発電所流れ場シミュレーション」で契約に調印した。ミサイルの空力学技術を民用風力発電に応用する。同事業を実施することで、風力発電所建設コストの引き下げが可能になり、政府の省エネ・排出削減対策や環境対策の強化にもつながる。

 中国航天科工集団第2研究院第2部は100テラフロップ(1秒100兆回)の計算機に依拠して、風の流れ場シミュレーション技術の優位と専門分野の蓄積を発揮し、複数のシミュレーションモデリング方法を確立しており、今回、風力発電所の配置と設計に効果的な技術手法を提供することになった。風力発電所の配置はこれまで経験に頼り、主に先に施工してから設計を行う形であったが、今後はデータを分析し設計を先行させてから施工する形になる。風況測定スポットの数を60%減らすことが可能になり、風力発電所建設コストを大幅に節減できる。

 中能電力科技開発有限公司は多数の風力発電事業の総合設計と施工を手掛けており、一方、中国航天科工集団第2研究院第2部はミサイルの開発と空力学的設計で中国をリードしている。

 今回の協力は「軍民融合」プロジェクトであり、今後双方が風力発電機の設計や風力発電所の計画などの分野でさらなる協力を展開する端緒になるだろう。中国航天科工集団第2研究院第2部の宇宙及び軍需分野における設計の成果が民用品の設計にも広がることになり、一方、中能電力科技開発有限公司の風力発電事業総合企画能力の向上にもつながる。
 

 (中国新聞網 3月19日)