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【省エネ・環境】

環境保護部が火力発電事業等の環境アセスメント許認可権を省クラス政府に移管 (15/03/19)
2015/3/26
中国【省エネ・環境】

 環境保護部は7種類の建設事業を対象に環境影響評価許認可権を移管することになった。

 環境保護部は先日、ウェブサイトにおいて環境影響評価許認可リスト改訂版を発表し、火力発電所、熱発電所、製鉄・製鋼、非鉄金属精錬、国有高速道路、自動車、大型テーマパーク等の建設事業の環境影響評価許認可権を省クラス政府の環境保護部局に移管することにした。

 環境影響評価とは事業の実施によって発生する可能性のある環境影響について分析、予測並びに評価を行い、好ましくない環境影響の予防もしくは軽減を行う対策及び措置を提示して、追跡モニタリングを行う法と制度を言う。

 現行の《環境影響評価法》の規定によると、環境影響評価にパスしない事業は着工を禁じられる。

 なお、環境保護部は2013年12月、25項目の事業の環境影響評価許認可権を移管していたが、その時に対象になったのは、分散型ガス発電所、都市高速軌道交通や民用空港拡張事業などインフラ建設関連や環境影響の比較的小さい事業であった。

 環境保護部が今回環境影響評価許認可権を移管するのは、中国経済の成長が減速している最中でもある。中国環境科学研究院の研究員であり、国家環境保護総局環境工程評価センター専門家チームの元メンバーである趙章元氏によると、国務院は行政を簡素化し権限を移管して企業に対する規制を緩和することを図っているが、これは企業経済の発展には有効であるが、重大な環境保護問題をめぐっては慎重の上にも慎重に行うべきである。趙氏は「火力発電所や熱発電所に環境保護措置が施されなければ、大気汚染発生源になり、スモッグの重要汚染源の一つになる」とし、経済成長の喚起、行政の簡素化と権限移管、環境保護の3つのバランスを取るよう考慮しなければならないとの見方を示した。

 (澎湃新聞網 3月19日)