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【石油・天然ガス】

中国が向こう5年間シェールガス補助金を引き下げへ (15/04/30)
2015/5/6
中国【石油・天然ガス】

 中国政府は向こう5年間のシェールガス補助金を引き下げるよう決定した。今回の措置は、米国の「シェールガス革命」と比肩しようとする中国のシェールガス産業にとって打撃になる。

 中国財政部の発表によると、2016〜2018年のシェールガス補助金を、現行の0.4元/m3から0.3元/m3に引き下げ、さらに2019〜2020年には0.2元/m3に引き下げることになる。

 中国政府は国有石油企業によるシェールガス開発を推進して、石油の輸入依存度を引き下げようとしたが、その成果は期待はずれであった。もっとも、中国石油化工(SINOPEC)と中国石油天然ガス(PetroChina)は中央政府の設定したシェールガス生産目標の達成を誓い、そのためには補助金が必要であると表明している。

 アモイ大学のエネルギー専門家である林伯強氏によると、中国政府が補助金を引き下げるのは、技術進歩による開発コストの引き下げを期待しているからである。「ソーラーと風力発電のコストが下がりつつあることは一目瞭然だ。しかし、シェールガスについてはそのことがはっきりしていない」。中国の山の多い地形、パイプラインインフラの独占体制、人口密度の高い山間地区で水資源をシェールガス生産に用いる上での政治的な困難などが付きまとい、中国のシェールガスは米国に比べコストが高く、難度も高い。一方、米国では国内のシェールガス供給の激増によってエネルギー価格が抑えられ、シェールガスは輸入に取って代わっている。

 SINOPECはフーリンシェールガス田開発の成功を宣伝しているが、同社の高官は昨年、補助金がなければ、シェールガス生産で収支バランスを実現することは出来ないと表明していた。

 (中国経済新聞網 4月30日)