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【石油・天然ガス】

ロシアが対中石油ガス輸出の大幅増で欧米に対抗 (15/04/30)
2015/5/6
中国【石油・天然ガス】

 ロシアは中国への石油・天然ガス輸出を推進するため、投資を増やしている。ロシア天然ガス大手GazpromのAlexei Miller社長は、2015年中に40億ドル以上の追加投資を行う計画を明らかにした。アジアとより密接な関係を確立して、欧米に対抗する狙いがある。

 Miller社長によると、追加投資はガス田やインフラ開発などロシア東部の天然ガス事業に当てる。Gazpromは今年の投資額について、当初は162億ドルを計画し、その多くをヤマル半島の天然ガス田に当てる計画であったが、1年以内に投資額を引き上げることになる。2014年3月以降、EUはウクライナ問題を理由に対露制裁を実施し、ロシア側も対抗措置を採ったため、ロシアと欧州の関係が悪化した。ロシアが東への転進を図り、エネルギー市場の開拓に取り組むとともに、中国との関係を強化することで、欧米の経済制裁に対抗しようとしている。

 一方、「シベリアの力パイプライン」(Power of Siberia pipeline)の着工が遅れる可能性があるとの報道があったが、Gazpromは、同パイプラインはすでに着工しており、遅延問題はないとしている。Miller社長は、「4〜6年以内にガスパイプラインを完成させる」と表明した。今のところ、2020年に完成させる計画である。「シベリアの力パイプライン」の石油・天然ガス源はチャヤンダとコビクタの2大生産地になる。チャヤンダガス田は年間250億ft3の天然ガスと少なくとも15億トンの石油を採掘することが可能であり、2018年末に採掘を開始する計画である。

 Gazpromによると、中国への天然ガス供給量は50億ft3になると見込まれ、将来的には年間380億ft3に増やす。契約額は4,000億ドル規模になる。Alexander Novakエネルギー相は4月13日、中国との2件目の天然ガス供給協議について、年内合意を目指すと表明した。

 報道によると、早ければ5月には2件目の契約で合意が成る見通しであり、契約額は4,000億ドルに上るだろう。Gazpromと中国石油天然ガス(CNPC)が昨年11月に調印した枠組協定によると、2件目の契約では供給量を年間最高300億ft3増やすことになり、その結果、中国はドイツを抜いてロシア天然ガス最大の顧客になる。

 (生意社 4月30日)