国家能源局は5月5日、《石炭クリーン・高効率利用行動計画（2015〜2020年）》を公布し、7つの重点任務を明確にした。

　(1) 選炭と高品質加工を推進して、石炭の品質を高める。

　(2) 超低エミッションの石炭火力発電を発展させ、現役の石炭火力発電設備の改修を急ぐ。

　(3) 伝統的石炭化学工業の改造とグレードアップを進め、現代的石炭化学工業の発展を着実に推進する。現代的石炭化学実証事業の新規建設に当たっては、技術指標を第1期実証事業のレベルよりも優れたものにし、大気汚染物と汚水排出は最も厳格な環境保護要件に適合しなければならない。残灰はすべて無害化処理又は資源化利用を行い、廃水を利用するウォーター・コール・スラリーの製造、空冷等の節水型技術を普及させる。キーテクノロジーと設備の国産化を実現する。

　(4) 石炭焚ボイラー高度化プロジェクトを実施し、高効率・省エネ・環境保護型ボイラーを普及させる。2020年には老朽化石炭焚ボイラーを蒸気換算で60万トン撤去する。効率が低く排出基準を満たさないボイラーは基本的に撤去するかもしくは改修を施し、高効率ボイラーの比率を50％以上にする。

　(5) 石炭の品質別、等級別の段階的利用を展開して、石炭資源の総合利用効率を高める。2017年までに低品位炭の等級別品質向上のキーテクノロジーで打開を遂げ、2020年には一群の100万トン級の等級別品質向上実証事業を建設する。

　(6) 民生用分散燃焼石炭のクリーン化に向け管理を強化して、石炭の分散・直接燃焼を減らす。高品質代替エネルギーを普及させ、石炭の分散燃焼から天然ガス、電力や再生可能エネルギー等のクリーン・エネルギーに転換する。分散燃焼において、低品質の石炭から高品質・低排出の石炭製品に転換する仕組みを推進し、分散燃焼用低品質石炭の販売を全面的に禁止する。

　(7) 廃棄物の資源化を推進して、汚染物の排出を減らす。2020年にはボタの総合利用率を80％以上とし、炭鉱ガス回収利用率を60％とする。水資源不足鉱区においては坑内水又は露天掘坑水の利用率を95％以上とし、一般水資源鉱区では80％以上、水資源豊富鉱区では75％とする。

　行動計画は石炭クリーン・高効率利用の目標を次のように打ち出している。2017年には全国の選炭率を70％以上とし、2020年には80％以上とする。現役の石炭火力発電設備に改修を施して、発電用石炭平均消費量を310g/kWh以下とし、石炭消費に占める発電用石炭の比率を60％以上に引き上げる。現代的石炭化学工業の産業化実証事業において段階的な成果を上げ、整った独自技術と設備の体系を形成する。

　（新華網 5月5日）