国務院は《中国製造2025》を通達し、製造強国戦略の全面的推進を部署した。中国が製造強国戦略を実施する上で初の10ヵ年行動綱領になる。

　《中国製造2025》は「イノベーション駆動・品質優先・グリーン発展・人材本位」の基本方針と「市場主導・政府誘導・現実立脚・長期視野・全体推進・重点突破・自主発展・協力開放」の基本原則を打ち出し、「3ステップ戦略」により製造強国の戦略目標実現を図るとしている。第1ステップでは2025年までに製造強国に邁進し、第2ステップでは2035年までに中国の製造業を世界の製造強国陣営において中堅水準に高め、第3ステップでは、新中国成立100周年に際し製造業大国の地位をより一層固めつつ、総合力で世界製造強国のトップに立つ。

　製造強国の戦略目標実現に向け、《中国製造2025》は9つの戦略任務並びに重点を明示している。すなわち、国家製造業イノベーション能力の向上、情報化と工業化の高度融合の推進、工業基礎能力の強化、品質とブランドの強化、グリーン製造の全面的推進、次世代情報産業、高規格デジタル工作機械並びにロボット、航空宇宙装備、海洋建設装備並びにハイテク船舶、先進軌道交通装備、省エネ型・新エネルギー車、電力設備、農機、新材料、バイオメディカル並びに高性能医療機器の10大重点分野における打開的発展の推進、製造業の構造調整の推進、サービス型製造業と生産的サービス業の発展、製造業の国際化発展レベルの向上である。

　《中国製造2025》は、政府の誘導とリソースの統合を通して、国家製造業イノベーションセンターの建設、スマート製造、工業基礎能力強化、グリーン製造、ハイエンド装備イノベーションの5大重大プロジェクトを実施し、製造業の発展を長年制約している共通キーテクノロジーでブレークスルーを実現して、中国の製造業の全体的競争力を高めることを明確に打ち出している。

　こうした目標と任務の達成を確保するため、《中国製造2025》は体制と仕組みの徹底改革、公平な競争環境の創出、金融支援政策の整備、財政・租税政策支援の強化、健全で多元的な人材育成システムの確立、中小零細企業に対する政策の整備、製造業の対外開放の拡大、健全な実施の仕組みの確立の8つの側面で戦略的なサポートと保障を打ち出している。

　《中国製造2025》は、各地区並びに各部門に対し、製造強国建設の重要な意義を十分認識し、組織的指導を強化し、メカニズムを健全なものにし、実施計画を研究、策定し、政策措置を綿密に策定して、各項任務の実現を確保するよう求めている。

　（新華社 5月19日）